横浜市長への公開質問状

        横浜市長への公開質問状

                             (陳情書)

 

港北区箕輪町2丁目地区地区計画エリアに認可保育所を一ヶ所設置するだけでなく、A,B,C各工区全てに保育所・保育施設を配置

     すること等、横浜市の緊急施策を求める住民の要望

 

 

 

横浜市長 林 文子 殿

                                      

 

 

 

                                              2019年6月25日 

 

                  住みよい綱島・箕輪・日吉のまちを考える会

                  

                                           代 表  木間 誠司

                                       横浜市港北区箕輪町2-14-19-108

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            *提出受領後2週間以内に回答してください。

はじめに~公開質問状の提出にあたって 

 

「住みよい綱島・箕輪・日吉のまちを考える会」(以下「会」)は、この間、港北区箕輪町2丁目地区地区計画に基づく地域まちづくりについて、横浜市(地域まちづくり課)及び、野村不動産株式会社(以下野村不動産)と「話し合い」を重ねてきました。

 言うまでもなく、箕輪町2丁目地区地区計画に基づく地域まちづくりは、たんに野村不動産の高層集合住宅(1320戸)づくりではありません。そのことを含む「市街地づくり」です。それは、野村不動産が事業計画説明会で度々言及する通り、「横浜市の地区計画に基づいて行われる」事業です。

 私たちは、その開発事業が、住みよいまちづくり、なにより、豊かな地域生活~住民の生活の質の向上~をつくりだす取り組みである限り、賛成であることを表明してきました。

 同時に、その立場から、地区計画が横浜市が従来から進めてきた、この地域を郊外型住宅地域とするまちづくりの方針を切り替え、いわば、特区的に都市型住宅・市街地づくりを持ち込み、土地の高度利用を名目に、周辺地域と不調和な高層住宅棟を提示する点において、街づくりの名によるまち壊し、豊かな地域生活を圧迫し、生活の質を低めるものだ、と批判してきました。

 現在、60mに及ぶ高層の住宅棟が立ち上がりはじめるにつれ、周辺に異様異質の空気が流れはじめています。

 住民の間には、新しい地域の相貌に期待、希望をもたれる方もいることでしょう。

 それ以上に、不安と失望を感じる住民も少なくありません。住民の分裂の進行こそ、住みよいまちづくりに反することであると私たちは考えます。

 その背景を見ると、地区計画によって規制緩和された建築物の高さ制限(60mまで)、また、容積率制限(250%まで)について、野村不動産の3棟の高層住宅棟の建築計画では、まさに高さ、容積率とも規制数値の目一杯、最高限度が追求されている現実があります。その一方で、規制緩和とは反対に規制が加えられた「中央広場」「貫通道路」「緑地」など地域貢献の「公共的用地」の広さなどについては最低限にとどめられていることです。

 このアンバランスはいずれも、計画の枠内で「合法」といわれます。

 しかし、高層住宅の周辺地域に及ぼす圧迫感の緩衝体として配置される低層棟については、地域貢献の施設として生活支援施設、生活利便施設の配置が定められたものの、必ずしも地区計画通り行われていません。

 むしろ、地域住民の要望が反映されたものが事業者の都合やテナントの要望によって変更される事態が起こっています。

 横浜市は開発事業者に対し、地区計画の徹底順守を求める立場と責任をもちながら、変更の事実を直視せず、地区計画の解釈権を濫用し、地区計画の地域貢献の要素の骨抜きにする変更を容認し、事実上、協力しているのではないかとの疑義を生じさせるものです。

 私達の公開質問は、この事態の究明と解決に向けたものです。

 公開質問に対する横浜市の真しな検討と回答を求めます。

 

                            (一)

 

 2018年、横浜市箕輪町2丁目地区地区計画を決定しました(2018年12月7日)。

 その後、野村不動産は、地区決定に基づく建築計画をA,B,C,Dの4つの工区に分けて、発表し、市の条例(横浜市中高層建築条例、同開発事業の調整等に関する条例)に基づく住民説明会を工区ごとにそれぞれ行っています。

 計画説明に対する住民の意見書の提出~野村不動産の回答、再意見書の提出~回答の手続きは、A,B,C,の工区について、既に3回繰り返されています。

 横浜市はそれぞれについて野村不動産の計画が地区計画に適合するかどうか判定し、すでに、二つの工区(A、B工区)について「適合」との判定を下しています。

 現在、C工区について判断の最中です(2019年6月21日現在、地域まちづくり課)が、この過程で明らかになっていることは、各工区ともに野村不動産の計画は、高さ制限、容積率において緩和された規制(高さ20m→60m、容積率200%→250%)目一杯を3棟の高層住宅棟において計画していることです。

 その一方で、「圧迫感の低減」「周辺地域との調和」また、「公開広場」「貫通道路」「生活支援施設」や「生活利便施設」などを通じた「地域貢献」については、その最低限にとどまり、それさえも必ずしも計画通り行われていないということです。

 野村不動産やテナント業者の都合や判断で、〈地域貢献〉とうたい、地区計画にも書き込まれてきた生活支援施設の配置や内容が見直され、変更されている現実があることです。

 

                                (二)

 

  具体的に保育所施設についてです。

 港北区は、本年、希望した保育所等を利用できない子どもの人数は557人を数えました。前年に比して50人増、待機児童も横浜市の全体46人の4割を占めます(資料「港北区子ども家庭支援課」2019年6月3日)。

 保育施設の整備は緊急の課題です。

 中でも、箕輪町1~3丁目、日吉1~7丁目、日吉本町1~5丁目地区は、現在、市立保育所は一ヵ所のみで、保育所・施設の整備の必要性がとりわけ高い「重点整備地域」に指定されています(こども青少年局保育対策課)。さらに加えるに、箕輪町2丁目では、この間、地区計画の下で、野村不動産の開発計画がすすみ、今後、1320戸の大規模集合住宅が作られ、3000~4000人の人口増が想定されるのです。

 多世代に開かれた集合住宅地とうたわれ、若い世代の参入も期待されている以上、保育所・保育施設の重点整備の必要性は一段と高まることは必至です。

 「会」は、先に横浜市市議会に対し、「箕輪町2丁目地域における保育所の設立を求める陳情」(2018年2月)をおこないました。

 これに対する、市議会議長からの回答(2018年3月26日)は、「‥保育所については定員90人程度の認可保育所を計画すると聞いている」「よって野村不動産株式会社が建設予定の共同住宅3棟全てに認可保育所の設置を指導する必要はないと考えている」というものでした。

 「会」として、その後の進展について横浜市(地域まちづくり課)に確かめたところ(2019年4月16日)、野村不動産と、定員90人の認可保育園をつくるということで話し合いが進んでいるとのことです。

 おおいに歓迎するところです。

 しかし、同時に、それだけは足りないことも率直に申し上げなくてはなりません。

 しかも、今、計画されているのは集合(共同)住宅の住民専用の保育施設ではなく、横浜市認可保育所であって、入所できる子どもは、地域住民全体に開かれているものです。応募者から「保育を必要」とする度合いの高い子どもが優先的に処遇されることになります。

 したがって、今、建設中の、集合住宅地に隣接する「箕輪小学校」が、集合住宅地を校区とするのとは異なって、集合住宅に住んでいるからといって、エリア内の認可保育所に優先的に入所できるということにはなりません。

 入所できなかった子どもと親が、受け入れ先を求めて周辺地域の保育所・施設にあふれでることになります。

 この危険は野村不動産も認めるところです。また、横浜市がこの地域を保育施設の「重点整備地区」に設定する理由の一つです。緊急の対策が市と野村不動産に求められる理由です。

 地域まちづくり課と野村不動産との話し合いでは、一つの認可保育所の配置以上の「さらなる取り組みについては引き続き協議する」とされています(A工区の地域貢献施設棟の活用ほか。2019年4月17日、野村不動産との話し合いにおいて、野村不動産側から、『横浜市当局〈まちづくり課〉との話し合いの結果、「野村不動産は、B工区商業棟3階に配置する保育所は、定員60人ではなく、90人とすることで合意した」(4月12日)、また、「追加的部分はさらに話し合いを続ける」』との報告が行われた

 当然のことと認識します。

 同時に、横浜市はもう一つの認可保育所の配置を野村不動産に要請すること求めます。そのことをはじめ、開発地域を含む地域全体の保育所・保育施設の拡充に向けて横浜市としての特段の施策を緊急に行うことを求めます。

 

                             (三)

 

 これまでにおいて、横浜市は、大規模開発の当事者である野村不動産に、保育所・保育施設の拡充整備について、どのような協力要請を行ってきたのでしょうか。

 横浜市は50戸を越える規模はもとより、200戸を越える規模のマンション開発を行う業者に対し、保育所の配置の協力要請を行っています(こども青少年局保育対策課)。

 野村不動産の事業の予定戸数は、1320戸です。200戸相当のマンションにすれば、6棟分を越える規模です。

 にもかかわらず、横浜市議会が「保育所については定員90人程度の認可保育所を計画すると聞いている・・・よって野村不動産株式会社が建設予定の共同住宅3棟全てに認可保育所の設置を指導する必要はないと考えている」とされたように、行政側としても、保育施設確保要請は「90人認可保育所」案で解消されてしまい、結果として野村不動産の三つの住宅棟の規模(住戸数、200戸規模6棟あまりに相当)に見合った保育施設確保への協力要請が行われず、野村不動産の開発計画全体が特別扱いとなってしまったのではないか、他のマンション業者との公平に欠く手続きになってはいなかったか、との疑いがあります。

 1320戸という桁違いの規模の開発地に、わずか90人規模の認可保育所1か所の計画にとどまっている事実が、その疑い裏づけます。

 少なくとも「建設予定の高層集合住宅3棟全てに認可保育所・保育施設・空間の配置」といった野村不動産株式会社側の対処を引き出すまでは、横浜市の協力要請は届いていないと言わざるをえません。

 野村不動産には、一ヵ所の保育所配置=「地区計画通り」で、終りとしないで、地区計画に基ずくまちづくりへの貢献を企業の社会的責任の一部として、さらなる保育所の配置などの施策を一層進めることを重ねて求めます。同時に、この問題についての横浜市自身の認識と姿勢をあらためて問いたいと思います。

 

                (四)

 

  以上のことについて「会」は、この間何度となく、野村不動産と地域まちづくり課と話し合いを行ってきました。あえて市長に公開質問を発するのは、その話し合いを踏まえた上のことです。

 話し合いを通じて、浮かび上がってきた問題は、行政民主主義の基本にかかわることと認識するからです。端的にいって都市計画としての地区計画決定の評価についてであり、具体的には「保育所」の配置についてです。

 地区計画決定で、計画のA地区の住宅棟については、高さ60m容積率250%の建築物三棟(住宅棟)の大規模建築が可能となりました。建築物の高さ制限、容積率制限の規制緩和がされたのです(20m→60m、200%→259%)。

 その周辺地域に及ぼす負担(長大感、圧迫感、ボリューム感)の代償にはなりませんが、地域貢献の名目で〈中央広場〉また、集合住宅内〈貫通道路〉、緑地などが一定程度、確保されました。〈公共広場〉〈公共道路〉として地域に開かれた用地です。

 高層建築の周辺には低層棟が配置されました。

 一つは「中央広場」に面し、もう一つは、「綱島街道」に面し、住宅棟を囲みます。いずれも、可能になった高層住宅棟の周辺地域に及ぼす圧迫感の軽減をはかる緩衝体となるものです。同時に、生活支援、生活利便施設が配置される地域貢献の機能を担うものとされたのです。

 こうした配置は地域住民にとって、いかなる意味をもつのなのか。

 地区計画は、「中央広場」について、以下のように記しています。

 「本地区の中央部に、綱島街道に面して、地域の交流・憩いの場としての機能、地区内の生活支援・生活利便施設と連携し多様な活動を支える機能等を備えた地 域住民が多目的に利用できる中央広場を整備する。」

 そしてまた、「土地利用の基本方針」として、

 「・・(3)綱島街道沿道については、にぎわいのある緑豊かな街並みを創出するため、地域の活力を支える生活利便施設及び緑化空間を連続的に配置する。(4)コミュニティの育成に寄与するよう、中央広場に面して、生活支援機能を配置する・・」というものです。

 こうした高層棟(住居棟)と低層棟(生活支援棟、生活利便棟(商業棟)の構成デザインの意図は明確です。大きく焦点となるのは地域貢献です。

 問題は、それぞれに配置される、生活支援施設、生活利便施設の内容です。どういうものを整備するのか。

  この点では

 1 綱島街道に面した低層部に、店舗や飲食店、診療所等の生活利便施設を連続的に整備する。

 2 中央広場に面した低層部に、保育所、集会所、地域交流機能や就労支援機能を備えた施設等の生活支援施設を整備する・・・

としていました(地区計画決定「建築物等の整備の方針」)。

 「等」とされるなかに何を組み込むのかは明示されていない点を除くならば、明解です。ちなみに、こうした施設の整備方針は案は、地区計画の決定に先行して行われた野村不動産箕輪町2丁目開発計画の住民説明会(2016年8月22日)で提起された構想と照応一致するものでした(資料①)。

 

                                (五)

 

 これに対し、野村不動産は、A工区の建築計画の届け出(2017年2月22日)の時点で、重大な計画変更を明らかにしました。届出書類に、A,B,C,D工区全体の図面をつけ、生活支援施設・生活利便施設など地域貢献施設の配置について、それまでに、地域住民に行ってきた説明会(条例に基づく)で明示した計画とは異なった方針を提出したのです。(資料②)

 具体的には、地区計画で配置を決めた「保育所」について、「中央広場」に面した「低層部」(生活支援・地域貢献棟)に配置(C工区)するのではなく、「綱島街道」に面した低層棟(商業棟)の3階(住宅棟5階相当)(B工区)に置くというものが一つです。

  この変更の事実を、野村不動産はB工区の建築計画の説明会で住民に知らせることをしませんでした。

 その後の追及で、野村不動産の担当者は、意図的ではなかったとしながらも、その非を認め、住民に謝罪しています。合わせ、変更の意図を

「・・保育所のプライバシー性やセキュリティへの配慮、さらには最上階とすることで屋上 部分に園児専用の園庭が設けられること等」「また、持続する運営をテナント様にしていた  だくうえで、保育園だけでなく、物販やクリニック等のその他施設についても、店舗の場  所、賃料等の条件の中でご要望をいただいております。」「保育園施設を希望する地域要  望と運営する側の要望を相互に判断して現状の3階とさせていただきます」(「仮称)日  吉箕輪町計画B工区調停回答書」2018年12月20日)

と言明しました。

また、

とも述べました。

 こうした変更の理由と経緯の説明は、地区計画で提示されている「中央広場」に面した低層部を「保育所」の配置の場所として選ばないとの判断を前提にするものでした。「中央広場に面した低層部」の場所が、保育所施設のプライバシー性や利便性、セキュリティー上、難点があるということなのでしょうか。

 あるいは、園庭の確保に困難があるということでしょうか。

 そうであったとしても、「保育所は中央広場に面した低層部」に配置するとの決定とどういう整合性があるのでしょうか。

 端的に言えば地区計画に一致しない変更ではないでしょうか。

 箕輪町2丁目の地区計画で、地域貢献のために確保された「中央広場」に面する低層部(C工区)には、生活支援施設が配置されることが決められています。

 その内容として地区計画には「保育所」が書き込まれています。

 「保育所」は、保育を必要とする子どもと働く親にとって、切実にして、死活の生活支援施設です。その支援なくして現代の共働き家族の子育て生活は成り立ちません。 「保育所」は、歴史的に様々な実践で試され、資格持つ保育士の配置や子どもの保育に必要な空間も求められる等制度化された福祉施設でもあります。

 そして、なにより地域住民の要望です。

 これに対し横浜市は「中央広場に面した低層部」に配置される地域貢献的施設は、生活支援機能を持つものであれば、保育所でなくてもいい、他のものでいい、地区計画は保育所でなくてはならないという拘束性を付与していないという判断(解釈)を示しました。

というのです。

 そのことから、「中央広場に面した低層部」に保育所が配置されていないとしても、他の「生活支援施設」が配置されているならば、地区計画に「適合」と判定したのです。

 野村不動産も、また

 としました。

 「生活利便施設」と「生活支援施設」とが混乱していることは今問いません。地区計画にのっとり「現在、中央広場に面した位置においては上記方針に沿った生活支援施設の計画を進めている」という確認が重要です。  

 現在、保育所ではなく、生活支援施設・機能として配置が予定されているのは、コミュニティースペース(集会所)、シェアオフィス(就労支援機能)、コワーキングスペース(就労支援機能)、ファブラボ、(就労支援機能・地域交流機能)、コミュニティカフェ(地域交流機能)などです。それぞれ集会所機能、就労支援機能・地域交流機能を担う、重要な取り組みでありうるものでしょう。

 しかし、これらは実施主体がどういうものであるかによって活動内容はいろいろに異なるものです。実践例としてもまだ限られており、担当者の専門性や育成などに散らばりがあります。

 そのようなものとしていまだ制度化されているものとはいえません。とはいえ、地域住民の共同のための空間配置や就労支援的な働きは、地域住民の要求に対応して展開される可能性を感じられないわけではありません。

 だからといって、その取り組みを、制度としても長い歴史を持ち、実践としても幾多の積み重ねがあり、また、横浜市としても設立運営管理の条例やガイドラインをもっている社会的組織としての保育所(認可)施設と同次元で評価できるものでしょうか。

 一企業の自発的試みとしては有意であったとしても、地区計画に基ずく地域貢献の生活支援施設として社会的存在でもある「保育所」と同じ次元で評価されたり、それに代わることがことができる施設ではないということです。

 その意味から、生活支援施設であれば保育所でなくともよいと解釈し、「中央広場に面した低層部」に「保育所」を置かない計画が、地区計画に適合するとする解釈は、地区計画決定を恣意的に歪めるものであると考えます。

 また、保育所という施設をあまりに軽く考えていると言わざるをえません。

 あらためて「中央広場」に面した低層部に、地区計画にもとずき、保育所・施設、学童保育施設の配置を要望いたします。

 

 私たち住民は、よりよい住環境、住みよいまちづくりに向けて地域貢献施設の配置を求める立場から、子育てしながら共働きの若い世代にとって保育所は死活的に必要な生活支援施設と認識してきました。それが、「プライバシー性」の確保はもとより、「利便性」の高い施設であってほしい、保育施設の特質に配慮した福祉的なものであってほしいということはこれまた当然の要求だと認識します。

 地区計画決定では、保育所は他の生活支援施設の例示に先立って第一位に記述されています。

 そうした仕方で優先順位が与えられたと理解してきました。少なくとも、そうした住民要求を反映している事項だと認識してきたのです。

  

             (六)

 

 一方、地区計画では、綱島街に面した低層棟には、商業施設を想定した「生活利便施設」を配置するとなっています。

 生活利便施設として挙げられるのは、「店舗や飲食店、診療所等」です。

 の配置を巡って「店舗の場所、賃料等の条件の中でご要望をいただいております」(野村不動産)とされる如くテナントからのいろいろな要望が寄せられるのは事実でしょう。「店舗」の場合、3階よりも1階でやりたい、3階は勘弁してほしい」など要望するテナントがいてもおかしくありません。

 問題は、そうした要求をどのように整理するのか。その判断基準をどこに置くのか、です。適正に配置されるべき施設・機能の意味を、まちづくり、地区計画の地域貢献の視点からどうとらえるのかです。

 少なくとも、保育所は、「店舗や飲食店」と同じ商業施設ではないのです。

 野村不動産は、生活支援棟に「認可保育所」を配置せず、商業棟(生活利便施設)に配置する計画変更を、みずからから横浜市に提起したといいます。

その変更は当初のものと位置(場所)が異なっているとの判断から、その変更が、地区計画決定の範囲内の計画変更として認められるのか。

 横浜市への提案は、その判断を問う意味があったといいます。

 この提起は2019年2月22日にA工区の建築計画の申請書の提出時に行われたとのことです。

 しかるに、横浜市まちづくり課は、野村不動産保育所の配置場所の変更をそのようには受け止めませんでした。否、見逃しました。

 A工区工事計画の届出の段階で、市は、野村不動産野村不動産の計画変更を知ることができる立場にありながら、変更を変更として「認識」しなかったのです。

というのです。

 地区計画の全体的視点にたって、個々の事業内容が、地区計画に逸脱していないか、順守されているかを判断する立場にある横浜市において、この変更の見逃しは容認されるミスなのでしょうか。

 野村不動産が、A工区の建築計画を横浜市に提出した際(2017年2月22日)に添付した図面は、「地域貢献施設配置図(全体)」とされるものです。手続きの上では、適合不適合の判断が問われたA工区に絞った情報ではありません。

 それ故にか、横浜市はB工区商業棟の変更図面を、地区計画との適否判断の対象となる資料とは見ませんでした。つまり、横浜市としては提出書類において、変更の適否を問われたという意識は全くもたなかったのです。

 しかし、そこには、B工区の地域貢献東(商業施設棟)の内容の変更だけでなく、A工区、さらにC工区を含めた地域貢献施設の配置の全体が描かれていたのです。

 横浜市が「保育所の位置」の変更を認識したのは、B工区の建築計画が提出された時点だった、あるいは、その時点以降だったといいます(2019年4月21日地域まちづくり課)。

 手続き上は、工区毎に、いわばバラバラに計画提出され、関係する地域住民もその度にバラバラにされ、計画提出(適否認定)もバラバラに行われるというのは、計画提出審査を求める条例が、今回のような大規模開発計画を想定していなかった、という事情もあるでしょう。

 そうであればこそ余計に、判定判断を行う地域まちづくり課が、個々の計画の評価において全体的視点を重視・貫徹することは、不可欠のことです。

 住宅棟の高さ制限、容積率等はそのように厳密に評価されました。

 そして、本来、地域貢献施設の適切な配置も、今回の地区計画の重大な柱の一つであり厳密の評価点検されるべき事柄だったのです。

 A工区の中にも、地域貢献施設の配置がある以上、A工区の中の地域貢献施設の配置が、全体の中でどう評価されるのか。その視点に照らして評価することなしにA工区の計画の適否の判断はできないともいえることでした。

 保育所配置は、B工区のことだから関係なく、参照しなかった、というのでは、それが単にB工区の商業棟の問題だけでなく、地域貢献施設の配置図(全体)であったことを見落としていることを意味するのであって、そのことの重大性を物語る以外のことではありません。

 それは、B工区の変更を参照・認識しなかった理由にはなりえません。

 犯したミスは小さくありません。

 まずは、ミス(見逃し)が事実であったのかどうか、市長として確認いただきたいと思います。

  地域まちづくり課は、変更を「認識」した段階以降、というべきでしょうか、野村不動産の「綱島街道に面した」商業棟(3階)に認可保育所を置く計画を、箕輪町2丁目地区地区計画に「適合」するものと判定しました。

 つまり、地区計画上の変更には当たらないというだけでなく、変更そのものが存在しないという判断したのです。驚くべきことです。

 

                                (七)

 

 保育所については今後、横浜市認可保育所としての設置申請が提出された段階で、市の設置基準に適合するものであるかどうかを判断する(子ども青年局保育対策課)とのことです。それはそれとして必要な手続きです。

  しかし、保育所の配置先の商業棟は、地区計画では、「生活利便施設」の配置と定めています。しかるに、保育所は生活利便施設ではなく、生活支援施設であるのです。

 これを地区計画に「適合」と判断することができるのでしょうか。 

 もし適合だとすると、横浜市は、保育所という存在を、住民の「生活支援施設」としてではなく、「店舗や飲食店、診療所など」と同じ「生活利便施設」と評価してもよいと考えていることになります。

 あるいは、「診療所」が、生活利便施設の一例であれば、当然、「保育所」もそうだということでしょうか。

 その考えで行けば、「店舗や飲食店」も「生活支援施設」といってもおかしくありません。「生活支援施設」であろうと「生活利便施設」であろうと、それが混合しようとも、地域貢献施設として適切に配置されていれば地区計画決定上なんら問題がないということでしょうか。

 実際、野村不動産の計画では、商業棟は、階別に生活利便施設、生活支援施設と分けられています。さらに、中央広場に面した生活支援施設棟は、生活利便施設に塗り替えられています(野村不動産の提出した地域貢献施設:配置図(全体)資料②参照)。

  地区計画決定では、地域貢献施設として配置する施設とその配置場所について一緒くたにはしていません。

 生活利便施設(商店など)を配置する棟(B工区)に生活支援施設(保育所など)を配置したり、逆に、生活支援施設(C工区)の棟に生活利便施設を配置するなどの変更は、二つの性格の区別を無意味化し、ひいては地区計画決定自体の意義を失わせることになります。

 行政は地区計画決定の忠実な実行を監督・点検・評価する責務を負う以上、そのような変更を安易に容認する行為は、行うべきではありません。

 よりよい環境整備を追求するすることは当然としても、業者の都合で地区決定の解釈をゆがめ、決定を軽んじるようなことは行うべきではありません。

地区計画決定の解釈権、適合、不適合の判断権は、市長にあるとのことです。

 地域まちづくり課は、その権限を受けて解釈し、判定・判断をしているとのことです。

 その判断が正当なものであるのかどうか。きわめて重要です。

 その点で、地域まちづくり課の解釈と判断は、地区計画から逸脱しているだけでなく、地域住民の解釈と判断、なにより、住民要求と大きくかけ離れていると言わざるを得ません。市長に質問する所以です。

 

                               (八)

 

 地域まちづくり課は、「綱島街道に面した低層部」について、住宅棟5階相当の3階でも、高層の住宅棟に対する低層棟の中であり、その3階であるのだから「低層」だ、したがって、新たに保育所を3階に配置しても「低層部に保育所」という地区計画に反するものではないと解釈しています。

 しかし、低層棟の「低層部」は、1階、せいぜい2階でしかありえません。市の言い分は詭弁としが聞こえません。

 問題は、保育事業という事業の性質からして、それは「低層部」で行われるべきであるという認可保育所の設立の横浜市の基準の問題です。

 低層部は、通常の理解で2階以下です。それが安全安心の保育所実践の上で必要なことなのです。

 5階相当の位置にもかかわらず、1~2階相当の低層と読み替え、緊急時の行動の負担と危険を保育者、また、子どもに押し付けるようなことを横浜市は行うべきではありません。

  箕輪町2丁目の地区計画エリア内で横浜市認可保育所設置認定に当たり、子ども達の保育に《最善のもの》を保障する義務(子どもの権利条約)、また、市の保育所設置基準、さらに、地区計画の決定・方針からして、当該保育所・施設は、なにより、子どもに豊かな保育所生活~保育の質の向上~と安心安全の保育活動の必要から見直し「低層部」(1階ないし2階)置かれるべきと考えます。          

 

                                 (九)

 

 高さ60mぎりぎりの高層マンション住宅棟3棟が密集し、超高層ビルとは異なる特異・異様な形態〈綱島街道を裏壁とする如く〉の圧迫感について、壁面の位置の道路隣地からのセットバック、低層の中央広場、綱島街道に面する緩衝棟や樹木の配置、外壁の色形の意匠的工夫などあれこれの「圧迫感低減」の措置(地区計画決定)が計画されながら、それらが本当に「圧迫感」を低減になるのか。

 住民要求にもかかわらず、その検証は一切行われていません。

 A工区住宅棟の1/100の意匠模型が作られながら、周辺地域との比較はなく、一般に公開されてもいません。

 圧迫感、威圧感は瞬間的、一代的なものではありません。

 日照・景観問題等とともに長期の住環境の要因です。

 開発の本来の目的は市街地開発にあるとしても、開発が地域生活の豊かさ、生活の質の向上に貢献するものであるのかどうかは根本問題です。

 日照・景観・圧迫感が、孫子代々に、いかなる効果を及ぼすか。

 高層住宅の居住性、周辺地域との調和性について、歴史的(未来展望的)視点での検証も不可欠です。

 これから数十年を超える長きに渡って周りの地域住民を苦しめ、憲法の命ずる個人の尊厳の尊重や、幸福に暮らす権利、幸福追求権(憲法13条)の侵害という効果に帰着することにならないか。

 住民の危惧するところです。

 ここで取り上げたのは保育所問題ですが、集合住宅に居住する住民も、周辺地域住民も、ともに地域住民として共有する生活支援施設としてイメージされる以上、その配置の不足や歪みが、地域住民の間で不必要な対立・混乱を引き起こすことはまちづくりの観点から、もっとも回避されなくてはならない事柄の一つです。市行政の適切な対処を求めます。

 

                                  (十)

  

  建築の規模、意匠とともに、とくに、地域貢献施設機能の計画については、都市美対策審議会では地区計画を基に幾度となく審議されてきました。

 その認証を受けた内容で、事業者の野村不動産は住民に説明してきました。

 その手続きを終えた後に、有識者の審議認証の結果でもある計画内容を審議会に対する何の手続きをせずして変更出来てしまうことは、審議会の審議と決定(認証)をあまりにないがしろにするものです。

 審議会、審議員に対する無礼であり、ひいては、市民住民に対する無礼であると言わざるをえないものです。

 そして、横浜市はそのようなこと行うべきではありません。 

 住民側は、地域開発はよりよい住環境の実現であって欲しい、そのことで地域生活が豊かになる、生活の質が向上するものであってほしいということが基本的なものです。

 そうであればこそ、地域に溢れるばかりの大規模建築が周辺地域との調和を侵し、周辺住民に長大感、圧迫感を押し付けるのではなく、同時に、広場や道路(狭隘道路の解消や歩道の確保を含む)、緑地などの整備とともに、生活支援施設にせよ、生活利便施設にせよ、まともな地域貢献事業の実施を求めるのです。

 その立場から、保育所配置など、現在進行する箕輪町2丁目地区地区計画の到達点を問題点について横浜市の主催による、事業者、地域住民、そして、建築専門家の公開意見討論会の開催を求めます。 

                  

                   以上、横浜市長の回答と見解を求めます。

 

 

                                                             

 

 

 

            

 

 

 

 

 

 

 

 

             (質問項目)

 

ー 箕輪町2丁目地区開発計画において予定される認可保育所は1ヶ所だけなく  もう1ヶ所以上開発地区(集合住宅エリア)内に設置すること、併せ、高層  住宅全棟(3棟)に保育施設・機能空間を配置するよう野村不動産に要請す  べきことを求めます。

一 「中央広場」に面する「低層部」(A・C工区該当)に生活支援施設として保育所・保育施設を配置することを最優先とすべきことを地区計画に基づき、明確にしてください。

一 横浜市は、開発主体(野村不動産)の「商業棟の3階(住宅棟5階相当)に保育所を配置する」との計画について、商業棟の3階(住宅棟5階相当)は地区計画に定める「低層部」と一致するとみて、「地区計画に適合」との判断を行っていますが、商業棟の3階(住宅棟5階相当)を「低層部」と判断する根拠を示してください。

一 90人定員規模の保育所施設の3階配置は、緊急災害時など安全安心の避難に重大な危惧を伴わざるを得ない以上、定員を見直すなど認可の可否条件を明示してください。

一 横浜市認可保育所が不特定者が利用する「生活利便施設」(商店など)と併  置される以上、出入り口、エレベーター、階段など、利用者の「プライバシ  ー」擁護や緊急時の安全安心の体制確保など、環境整備に対して特段の措置  が取られるよう指導してください。 

一 地区決定の解釈において、地区計画に反映された地域住民の要求や専門家の  審議決定を尊重して下さい。誤った解釈や歪曲は訂正してください。

一 地区計画の決定と異なる地域貢献の生活利便施設、生活支援施設の配置などの計画変更等については、市民住民に丁寧に説明し意見を聞くことや、計画・方針の決定に参与した審議会に経緯を示すなど行政の長として最低限の責任を果たしてください。

地区計画では集合住宅の周辺地域に対する「圧迫感低減」〈調和〉の措置と市  街地づくりへの貢献が決められています(地区計画決定)。しかし、それらの  検証は都市美審議会景観審査部会での検討以外、一切行われていません。現  在進行する開発計画の現状を多面的な視点から、とりわけ地域住民の受け止  めを介して検討評価するプラットホームの作成、あるいは、事業者、建築専  門家、地域住民・団体ほか関係団体個人の参加する公開シンポジウム等を市  が主導して開催してください。

             

 

 

 

 

 

資料① 

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資料② 

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参考資料

  1. ① (仮称)日吉箕輪町計画B工区 調停回答書  

            181220 野村不動産株式会社

■保育園問題

3階から1階(2階以下)への移動

     保育所のプライバシー性やセキュリティへの配慮、さらには最上階とすることで屋上    部分に園児専用の園庭が設けられること等より、防災面への避難動線を確保した上で        3階設置の計画としております。

      また、持続する運営をテナント様にしていただくうえで、保育園だけでなく、物販やクリニック等のその他施設についても、店舗の場所、賃料等の条件の中でご要望をいただいております。

      保育園施設を希望する地域要望と運営する側の要望を相互に判断して現状の3階とさせていただきます。

 

  1. 住みよい綱島・箕輪・日吉のまちを考える会 御中  

     2019.2.22

                                        事業主:野村不動産株式会社

                      協力会社:株式会社フォエバーサンクス

拝啓 時下益々ご清祥のことと存じ上げます。

  2月15日の打合せ時に頂きました、保育所の質疑に対して下記の通り回答申し上げます。ご理解賜りますよう、何卒、よろしくお願い申し上げます。

 

            記

 

 〈仮称〉日吉箕輪町計画にて計画している保育所に関しましては、セキュリティ等の利便性プライバシー確保する保育所の用途上の性質への配慮より、当社より横浜市B工区商業棟3階への計画を提案いたしました。その後、横浜市との協議および手続きを経て、現計画に至っております。

 港北箕輪町二丁目地区地区計画の方針内に記載されている「中央広場に面した低層部に保育所、集会所、地域交流機能や就労支援機能を備えた施設等の生活支援施設を整備する」との内容につきましては、中央広場に面した位置に、「生活利便施設」(ママ)を設けることが主旨であり、その例として保育所等が挙げられている次第でございます。現在、中央広場に面した位置においては上記方針に沿った生活支援施設の計画を進めております。

 また、階数の設定につきましては、先述の配慮をさせていただいたことと合わせて、低層部という与件を満たしていると考えております。

 つきましては、保育園の位置に関しまして、地区計画その他法令上の問題はないと考えております。

                                                                   以上

 

 



 

 

野村不動産との第10回目の話し合いの報告

野村不動産との第10回目の話し合いの報告

                                               

                                2019年7月6日

 

7月3日、6時から、日吉地区センター別館で、野村不動産との第10回目の話し合いが行われました。参加は「会」から、木間代表、金沢、渡部、西川、渡辺、先方は、野村不動産の永井、フォエバーサンクス、那波、高橋、そして、設計・施工担当の三井住友建設から担当者二人が参加しました。

 

 話し合い合われたことは、三井住友建設の方が参加して、「工区の工事着手」に関して、②騒音・振動計の配置について③保育所問題など、事業計画について、とくに、「サービス付き高齢者住宅」(D工区)についてでした。

 

工事遵守事項をめぐって

 

 ①では、三井住友建設から、「〈仮称〉日吉箕輪町計画 C工区 新築工事着手のご案内なるものが、説明されました。

 C工区は、まだ、横浜市の建築確認申請に向かう判断がなされていない段階と思われますが、それへのステップで、事実上の、住民への工事説明会であったと思います。

 そこには、これまで、野村不動産と話し合ってきた、「工事協定(案)」の反映がありました。同時に、いくつかの論点を残すものでした。

  一つは、作業時間についてです。

 「昼の時間」も、一定時間、騒音工事を行わない時間をつくることにして欲しい、と要望してきました。深夜はもとより、早朝、夕方、日曜日は工事はしないことは常識になっているの同様、地域住民の市民生活上、昼の時間にも一定、工事をやらない時間、静けさを確保してしかるべきだという点です。

 野村不動産は、現場(三井住友建設)の同意が得られない、としてきました。今回、同席した三井住友建設も、あらためて、「昼休みは取るが、作業はいろいろなものがあって一律にやらない時間をとるわけにいかない」ということでした。

 確かに、材料の性質上切れ目なく作業を続けなくてはいけない作業があることは確かでしょうが、そうでないものについて、なぜきっぱり止めないのか。やめるときはやめる、その指示を徹底すればいいだけのことではないか。なぜやめられないのか、と論議になりました。周辺の地域住民に迷惑をかけない、この原則問題ではないか、という点です。

 三井住友側は、現場はいろいろ工事があっての進み具合がある。一律に休めない。そこを、「やりません」と約束しても、できないことが出てしまう。約束しても、努力目標になってしまう。できない約束はしたくない、という。

深夜、早朝ならば、工事はやらない、やれない。これはつべこべ言い訳は成り立ちません。しかし、昼の時間、となると、きっぱりいかない。「実態として昼休みはとっている。やかましい作業は行われていない」から、明文化しなくとも、との答弁も出ましたが、それが実態なら、なぜ、明文化できないのか。例外は例外で、告知する。この点では平行線になりました。

 昼の時間もありますが、朝の問題です。「工事遵守事項」で「作業時間」については、「①作業時間は原則として午前8時から午後6時までとし、その前後に騒音・振動等の発生しない準備及び片付け作業を実施します。但し、杭頭処理等の特に騒音・振動が大きい特定建設作業については、午前9時から午後5時までとします。」とされています。

 この点で、ロイヤルマンションに住まう方から、実態として、7時台から、クレーンが動いている。周辺住民としては作業しているとしか感じられない。どうなっているのか。前後に「準備」「片付け」というがどのくらいの前後なのか、実際上作業時間の拡大延長になっているのではないか。あいまいだ、という点が論議になりました。

 クレーン車の操作は準備の段階は一人で行われている。倒れてこないか、不案もある。工事自体大規模で、住民のは迷惑行為だが、7時台から動かれてはたまらない。8時は音が出ない作業となっているが、音は出ている。非日常の音は騒音だ。8時以降にして欲しい。場内に敷いている鉄板の上を車が通ると、ガタピシ音を立てる。以前も苦情を出したが、正されていない。など。

 では、8時前の準備作業とはどういうものか?

 この点では、①クレーンを起こす②ポンプ車の設置、③車両の搬入④職人さんの道具の搬入などとされました。

 町会からは、7時半~8時については、子どもの通学上の配慮から、車輛の出入りはやめて欲しい、との申し入れを受けているとのこと。「遵守事項」に書き込むことはしていないが、その時間の車輛の出入りは避けるようにしているとのことでした。しかし、その結果、車輛の搬入が、7時台に繰り上がっていることもあるようです。「前後」の基準があいまいなに崩しに広がっているのです。

 そもそも、「遵守事項」には、準備・片付けの作業は「騒音・振動等の発生しない」作業とされています。騒音・振動の出る作業は、ダメ。8時以降にする。これ以外ありません。ちょっとだけならOK、などのあいまいさを残したら、明文化がそれこそ、努力目標になってしまうのではないか。この点は、住民側として厳しくチェックしていることを述べました。

 一方、騒音・振動だけでなく「等」があります。「等」の内容は様々なものでありうる。この点は住民の側の受け止めもある。具体的には、子どもの通学に負担をかけない、危険回避の問題がすでに出ていますが、早朝から、非日常の音、また、作業行動が周辺住民に与えるプレッシャーやストレスの問題も発言されました。それが迷惑と感じられるという場合です。

 これは、個人差があって、一律に対応できない(いちいち対応していたら仕事にならない)というのが野村、三井住友側の主張のようでした。しかし、それを個人的例外的反応として切り捨てていいのかの追及に対し、「配慮」はする、ということで落ち着きました。

 子どもの通学への配慮とともに、どういう「配慮」か、今後の見極めが必要です。

 

工事現場の騒音・振動をとらえていない~それが配置の目的か!?

 

②については、騒音・振動計がちゃんと音・振動を拾っているのか、が問題とされました。そもそも、何を測定しているのか。

 びっくりしたことは、今回の騒音・振動計は、工事現場の発する騒音・振動だどれほどなのかを測定するものではない、ということが明らかにされたことです。それが、法令に基ずく測定法にのっとっている、というのです。

 われらの疑問は、防音壁に囲まれ、集音マイクが外向きになっていては、工事の音がちゃんと拾えないのではないか、という疑問でした。実際、いつ見ても、たいへん低い値しか出ていないのです。

 これに対し、今回の測定は、工事音・振動そのものではなく、それが「防壁」でどうなっているかをとらえるもの、「壁」の高さは、1.8m、2m、3mなどあるが、今回は1.8mでやっている。場所によっては、綱島街道の車の音を拾ってしまうので、それは避けたい、というのです。

 ということで、計測器の周りが、がっちり「防壁」で囲まれていた訳が分かりました。しかし、「防壁」は、工事現場全てを覆っているわけではありません、

 また、音など、上に抜ける。たとえ3mの「防壁」があってもその上は筒抜けなのです。これは、東横線の「防壁」からもわかります。

 壁のすぐ隣は、音は小さくとも、2階、3階には、かなり大きい音が響きます。工事現場でもそうでしょう。今回の「騒音・振動計」は、そういう音を拾っていない。いや、拾わないように配置されているのです。それが適法な配置だというのです!!!

 われらが、工事音や振動そのものがどれほどかを知りたいのだ、というと、「じゃあ、私が一日立って測定しましょうか」と関係者が馬鹿なことをいう。「現場の音を直接はかったら、とても85dlでは収まらないだろう」とも。それが長く続くならば違法ではないか。そういう事態はないかを検証したいから、計測器を配置を求めてきたのだ。それを主張しました。

 もちろん、防壁の効果はあるでしょう。効果ある防壁を配置してもらいたい。しかし、そのうえでも、実際、どの程度の音であり、振動なのかが確かめられなくてはならないのではないか。

 防壁でどう軽減されるのか。我らが検証したいのは、その点です。

 工事は、AからB、さらにC工区へ進みます。現在の配置場所、配置の仕方が、適当なのか。機器を増やすべき、を主張・要求しました。

 配置場所の移動は応じられるが、機器を増やすことは、受け入れられないと回答。 機器を増やすこと拒否する理由はなにか?経費という。どれほどの経費なのかの質問には、回答を拒否しました。

 

保育所問題につては、「進捗なし」

 

保育所問題につては、「進捗なし」との回答でした。

 私たちの市長への公開質問状(陳情)を示し、このエリアでの保育所・保育施設の設立配置は、緊急不可欠、野村不動産の3棟高層集合住宅については全てにおいて配置すべきだ。B棟にしても、C棟にしても、地区計画通り、低層に配置することを重ねて求めました。

 

地域貢献施設の配置図(全体)の新たな問題

 

④新たな問題として浮かび上がったのは、地域貢献施設の全体配置の図面(野村不動産が、A工区の建築計画を横浜市に提出するにあたって添付2017年2月22日、)の問題です。

 野村側は、重ねて、そこで、保育所配置場所の変更はその図面で示したとしましたが、変更はそれだけではありませんでした。

 C工区に当たる「中央広場に面した低層」棟について、野村不動産の当初の説明会(2016年8月22日)の説明会では、「保育施設(認可保育)」「学童施設」「健康増進施設(フィットネス)「老人福祉施設(サービス付き高齢者住宅)」とされていました。それが、1階は、コミュニティーカフェ(400㎡)飲食店、帰宅困難者スペース、自転車置き場(20台)、となり、2Fはスポーツジム(400㎡)です。

 しかも、全体として、「生活利便施設」として色付けされいることです。そこは、地区計画によれば、「生活支援施設」とされていたものでした。

 

サービス付き高齢者住宅問題ー野村不動産、唐突な「謝罪」?

                        ~事実関係を明確に~

 

 また、問題は、それだけでなく、D工区について、2016年の説明会(2016年8月22日)では、「老人福祉施設(サービス付き高齢者住宅)」とされ「地域貢献施設(生活利便・支援施設)と位置づけられていました。そして、これについては2017年2月22日時点の「配置図」でも踏襲されていました。

 しかし、その後2019年4月5日行われた D工区についての野村不動産の建築計画説明会では、食堂とか、プールとか運動施設の併設を認めながら、施設はあくまで「サービス付き高齢者住宅」で、自立した高齢者(夫婦可)対象の営利施設で、福祉施設でも、地域貢献施設でもない、と明言したのです。

 これは、地域貢献施設として位置付けていた2017年計画自体が変更されたことになります。

 ロイヤルマンション権利組合理事会は、今回の開発計画に反対する立場には立ってきませんでした。その背景の一つには、高さ規制緩和による周辺地域の景観・日照などの圧迫被害を受けるものの、老人福祉や児童福祉などの地域貢献施設が配置され、暮らし易くなるなど住民生活が豊かになる事業が行われるならば、受け入れるのもやむを得ないといことがあったのではないか。参加者の発言でした。その計画が、どうなってしまったのか。

 地域貢献施設という位置づけ自身が変えられてしまったということは、ロイヤルマンション住人に対してだけでなく、ほとんど地域住民には知らされていてない。それでいいのか。

 これに対し、野村不動産は、サービス付高齢者住宅の位置づけについては、野村不動産側に混乱があり、住民の皆さまに、不信をもたれることになったかもしれない。お詫びすると言い出しました。

 唐突な発言でしたが、お詫びの前に、事実関係を明確にして欲しいことを求めました。

 高齢者住宅事業は、野村不動産の直系会社が行うそうです。

 老人福祉施設、地域貢献施設とさんざん宣伝して来ながら、最後に、国の補助金も付く野村のドル箱的な営利事業だ、地域貢献施設でもなんでもないというのでは、そうした事業が実施されるというが故に、全体計画を受け入れてきた住民に対するあまりの背信行為ではないか。言葉を変えれば詐欺ではないか。

 天下の野村のやることか。野村なればこそやることか。

 横浜市はどう見るのか?

 大きな問題です。

 

次回の話し合いは、

 8月7日 6時から、日吉地区センター別館と確認しました。

事務局 渡辺

まちづくりの到達点と課題を考える     4.17野村不動動産との9回目の話し合いの検討から 

まちづくりの到達点と課題を考える
    4.17野村不動動産との9回目の話し合いの検討から 
                      
            住みよい綱島・箕輪・日吉のまちを考える会 事務局
 
 住みよい綱島・箕輪・日吉のまちを考える会(代表・木間誠二)は、4月17日(水)、午後5時から8時まで、日吉地区センターにて野村不動産との箕輪町2丁目開発をめぐる問題について9回目の話し合いを行いました。参加は、野村側から永井、那波、高橋の各氏、考える会側からは、木間、金沢、渡辺、小嶋、西川の各氏でした。
  野村側から提出された資料は、①工事協定(案)②前会話し合いの議事録③エリアマネジメント資料(2018年)の三つでしたが、今回初めて、簡単な議事まとめが出されたことが、一つの特徴でした。住民側も、前回記録メモと、その後のまちづくり課に対して行った質問事項書を資料として提出しました。
 以下、次のテーマ(課題)で話し合いがおこなわれました。
    ①B区商業棟に予定されている保育所問題
    ②地区計画決定と保育所の位置の問題
    ③騒音計・振動計の設置、その後の問題
    ④工事協定問題
    ➄エリアマネジメントの問題
  ⑥日程について
  ここでは、話し合いの記録を参照しながら、なにが話し合われたのか、これまでの経過と到達点を吟味しながら、残される課題について検討してみたいと思います。お目通しいただき、ご意見をお寄せいただければ幸いです。
 
1 保育所問題~B工区商業棟3階90人定員の保育所の配置について
 
 野村側からは、横浜市当局〈まちづくり課〉との話し合いの結果、野村不動産は、B工区商業棟3階に配置する保育所は、定員60人ではなく、90人とすることで合意した」(4月12日)との報告がありました。また、 追加的部分はさらに話し合いを続けるとのことでした。
 これに対して、住民側は「保育所は一階に配置して欲しい」と要望してきたが、その要望をどう見るのか。それでなくとも、商業棟3階(住宅棟)5階相当)への配置は、市の保育所設置基準にあわないし、地震や火事の危険時にどのように安全避難が保障されるのか。60人でも心配なのに、90人定員という。保育士さんがおぶって、抱っこして、90人の子どもたちを3階から安全避難させることは並々ならぬことだ。エレベーターは使えない。外階段を駆け下りるのだ。たいへん不安だ。場所がないわけではない。保育所は一階に配置することにして、商業施設を上にして欲しい。定員は60人でいい。あと30人は、C工区の中央広場に面した地域貢献 施設に配置して欲しいことを述べました。
これに対し野村側は、テナント業者が、「安全にできる」と判断したことをことを受けている。「商業棟3階は低層」と認識する、と述べました。 
  そもそも、箕輪町2丁目の開発計画で横浜市認可の保育所を生活支援施設として設置するという方針は、地区計画決定にもとづくものです。その際、保育所は、「低層」に配置するとされています。横浜市保育所設置基準でもマンションに作る保育所は「一階に配置する」と定められています。なぜ1階であり、低層なのか。それは、何より、子どもの保育の安全安全を第一にするからです。いざという時の避難の必須の条件です。一階でないとすればせいぜい二階です。避難が滑り台で行いうる高さです。高層の保育所がないわけではない。多くの場合、どうしても土地、空間の確保ができない等の事情があります。今回の箕輪町保育所の場合、土地・空間がないということではないのです。商業棟3階を希望する、商業テナントがいなかったという事情のようです。保育所が積極的に3階に配置される方が良いとする理由は見当たりません。子ども第一、最善のものを〈子どもの権利条約というのではなく、業者の都合優先、営利第一をもって、「総合的に」勘案した結果としか言いようがありません。
  市のこども青少年局子育て支援部保育対策課の担当者のお話では、認可保育所の場合、マンションの一階に配置するという基準に合わない場合、安全対策対応に厳しい条件が付くとのことです。今回、箕輪町開発施設内で認可保育所を運営する業者は確定している(賃貸高齢者住宅とは違って、野村直轄~子会社~ではない)ようですが、まだ具体的な認可の手続き(申請)は行われていません。書類が出された段階で、認可基準を満たしているかどうか、審査するとのことです(横浜市方区対策課)が、事前相談の段階で、横は市はあれこれの助言を行っているとみられます。野村不動産が業者(予定テナント)が「安全対策もクリアーできる」といっているというのも、市側が事前相談の段階で、一定の容認を与えている公算があります。事前相談を否定するものではありませんが、地区計画の決定、保育設置基準を前提にした場合、相談協議において横浜市の取るべき態度はなにか。業者の都合(優先)や営利第一の立場をチェックすることがなくてはなりません。市の認可する保育所は、住民の生活支援施設であるだけでなく、何より「保育に欠ける」子どもと働く親にとって福祉施設であり、何より、安心安全と健康的な成長のための保護保育を保障する施設であり、そのようなものとしての環境整備が必要であるということです。それは、営利第一ではあり得ないことの確認が不可欠です。横浜市は、その保育事業の特質が営利主義によって歪められ、軽んじられることのないようしっかり守って欲しいものです。
 開発業者が、地区計画に基づくまちづくりとは無関係に事業展開するというのであれば、営利優先、第一主義の原則が幅をきかすこともあるかもしれません。そうではなく、都市計画審議会決定の箕輪町二丁目地区計画に基づきまちづくりとして「開発」を行う以上、その実現に向けた企業努力~企業の社会的責任~が果たされなくてはなりません。あまりの営利主義は、まちづくりの原則としては成り立たず、抑制されるべきことであることを知るべきです。認可保育所問題で、業者の都合、営利第一の立場で保育所施設の特別な意味が二次的、三次的に考えられて解決(判断)されていいものではありません。横浜市は、業者の意志を尊重しつつも、保育事業がその特質を踏まえ生かす事業となるよう、格段の指導援助が必要です。業者任せや、業者の言い分を権威付けするだけの行政対応であってはならないのです。保育所設置基準(ガイドラインの厳正の適用が求められるものです。 住民側は、保育所の設立が、マンション住民はもちろん地域住民にとって僅僅の課題であることを強調しつつ、地区計画決定、市の設置基準に合致した、子どもたちにとって最善のものとなるよう建設することを、重ねて要望しました。
 
2 地区計画の決定とその後の野村不動産の建築計画の変更に ついて
 
 一方、前回の話し合いの時、野村不動産は、B工区の商業棟に保育所を配置することについて、地区計画に違反するものではないかという意識を持ち、実際どうか、「市にお伺い」を立てた。それを「2018年2月22日」の届出文書で行ったと言明しました。《考える会》として、横浜市に確認しましたが、その結果、当該の日付の文書は、「『A工区』の建築計画の届出文書」だとのことでした。これはどういうことかと野村不動産に質しました。
 これに対し、野村不動産の担当者は、「2018年2月22日の文書は、たしかに、A工区の計画書だが、その中にB工区の図面を1部分付けている。そこに、商業棟に保育所を配置する図面が入っている」とのことでした。(未確認)
 重ねて、その「届出」は、野村側としては、保育所の配置をC工区からB工区へ移すことは、地区計画の決定の内容と異なるという認識~その変更が地区計画に適合する枠内のものであるかどうかの判断とは別にして~で持っていたが故ということでいいのかとただしました。というのも、横浜市の地域まちづくり課は、今回の変更を地区計画の決定(内容)と異なる変更だという事実自体を認めようとしないからです。
 どういうことかというと、「生活支援施設」が「中央広場の低層部」に配置されることは地区計画にのっとって行われるべき方針(決定)だが、具体的にどういう生活支援施設を当てるのかについては、「保育所」とか「集会所」とかが書かれているが、それでなくてはならないということではなく、サンプルの例示である。生活支援施設が何もないということでは決定違反だが、「保育所以外のものでも生活支援施設であればOKである。これが地区計画の決定だというのです。保育所にしてもつくらないというのではなく、他の場所に配置されることにしておりなんら問題ない。何にも地区計画と異なるものではではないというです。これが市の見解でした。
 この点では、野村側はどう考えていたのか。前回の話し合いでの確認にもなります。今回、野村がまとめてきた「議事録」では、C工区内に保育所が計画されていた案があったが、B工区の説明会の際に、その旨の言及しなかったことについて、「反省はしているが、意図して変更(隠した)という認識はない」とされています。「反省」というのは、意図的でないにしても、「変更」~C工区内に保育所が計画されていたものが、B工区に移された事実~について、住民には、一言も「説明」しなかったことについてです。私たちはそう理解しました。実際、野村の担当者は、「『ゴメンナサイ』です」といったのです。今回、「意図して変更を隠したわけではない」という言い訳がはいりました。客観的には《隠した》のですが、それは意図的ということではなかったという。意図的だったとしたら、詐欺ですが、問題は変更を変更として認識していたのかどうかです。その点では、隠す意図はなかったが、変更であることは意識していた。これが確認されたことでした。だから「お伺い」も立てたということです。
 今回においても、「変更」を事実として認識していたということを、市側のように「認めない」とは言いませんでした。しかし、前回の確認と少々異なる言い回しになりました。
 それは、地区計画決定に照らして、その記述と異なる変更をおこなったということではなく、自分たちが、それまでに住民に提示していた計画内容と異なっているということについての意識であり、それでいいのかという問い合わせであったという言い回しです。変更の意識は、地区計画の記述(内容)と異なるかどうかということではなかったというのです。
 では、最初に出した野村の計画は、地区計画にのっとっているという認識はあったのかと尋ねると、それはあったという。ということは、地区計画にのっとった先の計画を変更した結果、それが地区計画とは異なったものになり、逸脱、不適合とみられる危険を生んだ、ということでもあるでしょう。先に提出した計画の変更について適切かどうかのお伺いは、それが地区計画との整合性を保っているかどうかについての問いと不可分ということになります。
 もとより、野村が自分の計画をあれこれいじることはあるだろう。よりよいものにしていくという点で、あれこれ変更が起こることは、ある意味で当然でしょう。それが問題になるのは、変更が地区計画の内容との関係でどうかということが基本になるのです。地区計画の内容から逸脱するような変更は、いくら良かれ、の善意であったとしても、認められない。これは原則でしょう。市は、今回の野村の計画について地区計画決定を逸脱していないか、歪められていないか。手抜きはないか、点検しなければなりません。野村不動Ð産の側としては、今回の変更が、文言の上での地区計画の記述と異なるものである以上、その変更が地区決定の内容の変更といわなくてはならないものか。それほどではないものか。どう評価されるのかについて、「お伺いを立てる」(判断を市側に求める)という必要に直面したということになります。
 そのお伺いが、A工区の建築計画の添付資料としてB工区の変更図面をつけたという行為だけであったとすると、それだけの行為で「お伺いを立てる」ことになるのか。こっそり滑り込ませたということでは、地区計画に適合する変更かということについての「お伺い」を立てる行為としての意味は持たないのではないか。事実、市側には、お伺いを立てられた意識は、まったく「ない」ということでした。
  野村側の、今回の変更について、以前に野村自身が発表した計画とは異なっているという意識はあっても「地区計画と異なる」という意識はなかったといういい方は、前回の発言の微妙な修正です。「地区計画と異なる」という意識はないという点で市と同じ見解が強調されました。なにかのすり合わせの結果でしょうか。野村の担当者は、「こっそり忍び込ませた」というものではないとしました。どういうことか。地区決定の過程、また、その後において、建築計画上の諸問題については、横浜市とでは週一回のペースで協議をしてきた。保育所の配置場所の変更についても、協議のテーマ一つだった。それは週一協議のなかで提起していた事柄だ。市は、当然、「変更」を知っていた。変更は、地区計画に適合するという解釈で合意した。そこから考えると「変更」は地区計画の変更でもなんでもない。決定通りということになります。その意味では、なぜわざわざA工区の建築計画の届け出に際し、B工区のB工区の商業棟(保育所を3階にするという「変更」の図面を付けたのか、という問題が浮上します。
 「変更」が地区計画どうりというのであれば、計画が地区計画に違反するかしないかの「お伺い立てる」という行為は必要ありません。A工区の建築計画の単なる提出です。それ以前に、「お伺い」はなされており、市の側は、その変更を問題ない、地区計画の内容通りだ(適合)というお墨付きを与えていた、少なくとも、週一回の協議の中で、そうしたものとして解釈を一致させていたということなのです。建築計画の提出の際に、変更の図面を添付したという行為は「お伺い」のポーズにさえなっていないのです。市は、野村の提出した計画変更が地区計画の内容と異なるものになっているという意識の存在を頭から、認めないという市の対応と符号するものです。届出以前に、決着のついた問題だったのです。
  この点は、地区決定の文言についての事実認識が関係します。「中央広場に面した低層部に保育所を配置する」という記述(こと)と、「綱島街道に面した商業棟の3階に保育所を配置する」という計画(こと)とが、保育所の配置について、同一のことであるといったい誰が認めるのでしょうか。普通に読んでその理解はできないのです。地区計画の決定の記述の趣旨に照らして読めば、中央広場に面した低層部に配置されるべきは生活支援施設であって保育所はその一例、他のものでいい。そういう解釈が市の見解だとしても、住民はその解釈には納得できないのです。地区計画の決定の解釈権はどこにあるのかということになります。
 この点では、「地区計画決定の解釈権は市長にある。その権限の一環として地域まちづくり課が権限を持つものだ」とまちづくり課の担当者は言明します(4・17)。
  しかし、都市計画審議会決定のプロセスには、少なくとも住民の要望を聞くということがありました。その窓口になったのが地域まちづくり課です。「広場」とか、「貫通道路」など「町会」からの要望があった、とまちづくり課の担当課長はしきりと強調していました。私たちも様々に要望の声をあげました。都市美景観審査部会では、専門家の厳しい注文が、周辺地域との調和やまちづく理に関して注文がだされました。景観という建物全体とまちづくりの問題です。地区計画決定そのものは、土地の高度利用制限緩和等仕方で、周辺地域住民への多大な圧迫感をもたらすボリュームの建築物の建築が可能になる(容認する)するものでした。高さ60m容積率250%を合法化した。同時に、その容認とは反対に、その方向を規制する視点として、周辺地域との調和、圧迫感の低減、地域貢献、生活支援、生活利便施設の配置など定めたのです。単に、高層マンション(集合住宅)建設だけでなく、《まちづくり》への貢献が書き込まれたのです。後者には住民の要望が地域住民の声の反映がされるものでした。決定文書の文言に、そうした住民要求の反映があったのです。「広場に面した低層部に保育所を」もそうしたものの一つ(事例)であったといわなくてはなりません。
 そうした要素を積極的に解釈するのではなく、サンプルの一つであり、どのサンプルを選ぶのかは業者の都合に合わせ、総合的にバランスを考え、結局のところ、住民要望の要素をそぎ落とし「問題ない」という「解釈」に対し、住民は異議を申し立て、正当な評価と解釈を求める権利があるといわなくてはならないのではないでしょうか。
 市との週一協議で「変更は問題ない」と合意した、と野村の担当者は胸をはりました。その合意で、地区計画に適合という解釈がなされてたというのです。とんでもない話です。解釈権は市長にある。主権者もつ住民の側にも権利がある。その立場からただす、と反論しました。
 
3 騒音計・振動計の配置について
 
 野村側との話し合いの成果として、実現したことは騒音計・振動計の配置です。場所は現在のところA工区の北側の一ヵ所です。既に、A工区の杭打ちなどは終わっている。BCと移っていくが、その騒音振動をフォローする場所になっているか。移動させるか増やすことが必要ではないか。また、計器は鉄板や壁に囲まれている。適切な計測ができるのかが問われました。              
 野村の担当者は、一ヵ所以上にするつもりはないとします。二か所にしても変わらない。また、綱島街道に近ければ、街道の騒音だけで一定のものがある。工事現場と重なると大きくなる。どこまでが工事か、街道の車の騒音か、いろいろなものを拾い分けられないというのです。
 しかし、定点で騒音・振動の測定も必要でしょうが、工事の進行に伴い、適切な場所に移して測定する必要も明らかです。住民からすれは、工事の音も、交通の音も合体されてたものとして騒音を聞く。純粋工事音だけという生活音はあり得ません。現場の騒音・振動測定は、純粋工事音測定のためのものではないのです。現場の騒音は全体で体に迫って来る。その実態を把握するためのものです。
 もとより、無駄な場所で、無駄な測定は必要ありません。住民側は、どういう配置測定が適切か、専門家の判断を聞いて判断すべきを提起しました。
 工場騒音の法的規制のレベルは、建築騒音規制より低く、厳しいものです。建築工事は一定期間で終わる。工場はずっと続く。その差があります。しかし、今回の建築現場は、大規模な長期間工事の現場です。A、B、C、D工区と広大な範囲で工事が続く。さらに、学校の工事、綱島日吉トンネルの工事もある。みんな重なってくる。しかも、準工業地区ですが住宅が混在する。つまり住宅街での長期大規模です。駅前の再開発や山の中で開発工事とは異なるこの地の工事の特殊性です。そこで、騒音振動構造がながく周辺環境を支配するのです。その間、住民の痛苦は続くのです。工事は場所をずらしながら並行して行われるが故に、周辺住民全員が一点集中的影響を持続的に受けるわけではないとは言え、環境全体が過酷な拷問にさらされるといって過言ではありません。
 今回設置された騒音・振動計は、そんな中の一点にすぎません。であるにしても、その点において、一定の期間をとって、どれだけの値がでているのか、実態記録を確かめ、住民に公開し、共有する機会を持って欲しい。これも住民側からの要望として提起しました。
 専門家の判断、記録の公開共有などについて野村側も同意しました。
 この過程を経て、今回設定された場所での測定の意義を判断し、存続(次の場所への移動)についても判断されてていくことになるでしょう。常時、三か所での配置は必要ではないかと思われます。これも専門家の判断を聞きたいところです。
 
4 工事協定(案)について
 
 この間、野村との話し合いで、煮詰めてきたことの一つは《工事協定案》です。今回野村側から提示されて《工事協定案》には、これまで、市の条例に基ずく、A、B、C工区の建築計画の説明会で提起された「工事順守事項」には入っていない項目が盛り込まれました。
 ①とくに騒音・振動の大きい特定建設作業については午前9時から午後9時までとする 
 ②特定建設作業を「作業時間外」に行うことが事前に明確になった場合には「掲示板」にて周知する。
 ③大型ダンプ、生コン車は、日大付属中・高校東側道路の通行は行わない
などがあります。それらを盛り込んだものを《工事協定書》のサンプルとするという提案が出されました。その内容を「工事順守事項」に盛り込み、周辺住民に配布するようにするということも提案されました。
 工事協定の対象は、町会、マンション管理組合に限定するということですが、具体的働きかけはどのように行われているのか。
 野村側からは、「連合町会長町会長には接触している」とのことでしたが、協定にという流れにはなっていないよいうことです。
 住民側からは、箕輪町で行われたまちづくり放談会などでも、町会として工事協定を野村と結んで欲しいなどの発言していること、また、横浜市港北区(長)は町会(長)に影響力はもっていることから、区長・区を通じて町会として、工事協定 を締結に前向きに臨むように働きかけることに取り組んでみたいなどの発言がありました。
 そもそも、野村側として、なぜ、最も直接的被害受ける近隣住民と個別の工事協定を結ばないのか。市の手引きでも近隣住民と工事協定をむすぶことが提示されており野村側が近隣住民を対象とした協定は結ばないという方針の見直しを求める~これが住民の声です。
 《考える会》としては、住民サイドの要望を述べ、工事協定書の原案(サンプル)の作成に協力しました。野村側は、《考える会》は任意団体ということで工事協定の当事者とは認知しないという立場を一貫させています。我々としては、そのこと自身の見直しと求めながら、我らが、協定当事者になることが目的ではなく、協定事項が確実に行われ、住民の適切な住環境が守られるのか、それが蹂躙林されることはゆるさないというという立場で、環境保全に関心をもってチェックを引き続き行っていくこと表明、野村側の対応を求めました。
 
5 「エリアリアマネジメント」について
 
 民間の開発事業の場合、「マンションを立て、売却が終わった。あとは、一切関係ない」といういわば売り逃げの業者が多いことが、ひとつの社会問題にもなってきました。今回、野村の場合、売り逃げしないで、むしろ、地権者、テナントとしての残り、マンションの管理組合にも参加し、そのことを通じて、エリア全体の「まちづくり」のマネジメントに責任の一端を担う、とのことです。野村不動産としては、初めての取り組みで、市とも協定を取りかわしている(2018年)ということでした。その協定に際し、提示された『エリアマネジメント構想(方針)』にそって説明がなされました。
 それを見ると、『エリアマネジメント』の「上位」に位置づく計画として、市の「マスタープラン」や「日吉綱島東部地区まちづくりビジョン」が掲げられています。土地の高度利用、持続可能、多世代交流などがあげられています。
 実際、何のをするのか、様々なことが描かれていますが、実際はまだ何も決まっていない状態でもあるようです。ただ、「町の魅力発信」「地域交流」などを行うイベント組織、といったイメージが伝わってきます。町会などとの関係も記されるが、地域住民の自治共同といった主体づくりとは一致しない。むしろかけはなれているように見えるものです。掛けはなれたというよりも、管理主体づくりとして全く対極、対立するものにも見えます。実行プランになっていないといわれますが、一回の聞き取りでは、「全体」像が見えたとは言えません。引き続き検討課題になることを確認しました。
 同時に、工事協定づくりの議論など、それ自体が、まさしくエリアマネジメントの課題そのものへの取り組みであるのではないか。住みよい地域づくりに向けた住民の取り組みや、そうした住民との協議を抜きにして、営利営業中心のエリアマネジメントはあり得ないのではないかということはいえそうです。
 
7 野村側が「議事録」作成
 
 最後に、野村側は前科の話し合いの議事録なるものをまとめてきました。これまでになかったことです。今まで、住民側のまとめだけで、野村側は何もつくってこなかったということ自体が、話し合いへの誠意〈態度〉の問題として問われうものであったと言えるでしょう。前回、住民の側から激しく批判された点でもありました。
 住民の生活に大きく関係する「保育所の位置の変更などについて、野村側は、住民説明会では一切言及しなかったことについて、前回の発言では、「ごめんなさい」でしたが、今回のまとめでは「意図(変更)があってやったことではない」と記録されましたが、話し合いで、「意図的に変更の事実を住民に隠した事ではなかった」と確認しました。変更の事実は当然ながら承知していたのです。引き続き、事実を確認し、正しく記録に残すこととします。
                                                         
8 次回の日程
 
  次回10回目は、6月5日(水)午後5時から 日吉地区センターを確認しました。
 
                                                           (2019・5・9)

箕輪町野村開発「D工区」説明会開かれる

箕輪町野村開発「D工区」説明会開かれる
      ~老人福祉施設ではなく
         自立高齢者向け賃貸住宅~
 
野村不動産の「〈仮称〉日吉サービス付高齢者向け住宅計画」の説明会(施)に参加しました。市の開発条例に基づくもので4月5日の夜と4月6日午前中に二度行われました。私の参加した6日では、住民の側の参加は7~8人でした。
 
野村の説明は、建築法上では「老人ホーム」となっているが、特別老人養護施設、老人福祉施設ではないとの
切りだしでした。野村の子会社直轄の高齢者用賃貸住宅というのです。9階建て。30.89mの高さです。戸数は、120室。大食堂、大浴場付き、フィットネスの施設も置く。自立する高齢者(夫婦可)が対象。自立できなくなったら出てもらう。恒常の介護の体制はない。この手のものとしては、大規模というわけはではないとのことでしたが、けっこうな規模です。
  建築される場所は、南日吉団地入口の交差点のジョナサンの前の角です。”森”の部分を含みます。野村総研の跡地であり、野村の開発地域です。これまで、D工区とされてきました。地区計画ではA地区に属します。60m、250%の建築が可能にされたゾーンですが、今回の計画は、綱島街道からのセットバック20mをとらないので、31mの高さ規制にひっかかる。しかし、20m、200%までというそれまでの規制よりはいい条件で建てられる。31mの高さ、235%の容積率が可能とのことでした。
計画されるフィットネスには地域住民も利用できるようにするとしましたが、「大浴場は」というと、それは住人のみとのことでした。
野村の発表してきたチラシ(2018年版)でも、「老人福祉施設」がうたわれていました。勝手なチラシではなく、条例で義務付けられた説明会で資料として提示されたものです。説明会に参加したロイヤルマンションのAさんが持参していました。野村側としては「高齢者専用住宅」として早くから考えていたようです。地区計画の「住宅は多世代の多様な住まい方に対応」という規定に対応するものでしょうが、それは「老人福祉施設としての住宅ではないし、地域貢献施設というものでもない。住民側は、地域貢献施設の例として老人福祉施設がつくられるとt受け止めてきた。そうではなかったのか?Aさんは憤慨していました。
 生活支援施設でも、生活利便施設でも、地域貢献施設でもない、野村不動産の子会社直轄の文字通り営利施設ということで、、地区計画にも書き込まれていない。野村が自由に計画する。地区計画の抜け穴でしょうか?
 計画は、箕輪町2丁目「地区計画」に基づくもの、とされています。「では、地区計画決定のどこにそんなことが記されているのか?」と質問すると、野村の担当者は、「ごめんなさい。今答えられません。整理してお答えします」という。地区計画のもとずく事業という基本的な認識に欠けている一端が露呈しました。
 また、工事と関連して、”森”の緑が、伐採される。残っている桜もどうなるのか。「できる限り残す」とのことでしたが、それが本当なら、すでにもっと残っていてよいものだ。そうなっていない。ここでも住民の方は憤慨していました。
 そもそも、市は何をしているのか。地区計画決定というものをどう考えるのか。あたためて問われます。

野村不動産側との話し合いを実施 ~4月17日(水)午後5時から

野村不動産側との話し合いを実施
~4月17日(水)午後5時から
 
第9回目になる野村不動産との話し合いを行います。
  ◯期 日:4月17日、午後5時から
  ◯場 所:日吉地区センター別館
  ◯内 容:*保育所について、よりよいものをどうつくるか
         *「エリア―マネジメント」といわれることの具体像はなにか、住民側からの提案など
         *工事協定問題。
          ほか

4月12日に対市行動を行います! 保育所設置問題で、市まちづくり課交渉 

4月12日に対市行動を行います!
保育所設置問題で、市まちづくり課交渉 
 
 
地域まちづくり課との話し合いの中で、資料開示を求めた、箕輪町2丁目地区計画に基く横浜市認可保育所建設をめぐる、横浜市野村不動産とのやり取りについて、とくに、野村側の建設位置の変更を地区計画決定の範囲内のこととして容認した経緯について、野村側の届け出文書と、市の側の問題ないとした審議内容について、資料を開示すること求めてきましたが、市の側から、「準備ができた」との連絡がありました。
以下4月12日(金)午後1時から、対市行動を行います。
  🔴12時45分に、市役所1階ロビーにお集りください。
  今回のまちづくり課の対応を踏まえ、市長への申し入れに入ります。
「高齢者向け住宅計画」についても、市がどういう判断をしているのか、正していく必要がありそうです
 
 
  騒音計・震度計 配置される
 
B工区C工区の工事協定をめぐって、野村側と話し合いを重ねてきましたが、3月末、ついいに騒音計、振動計が配置されました。(写真①)
場所は、A工区の南東角。目の前でA棟建築が進んでいます。ただ、この測定器は、鋼鉄の仕切りに囲まれています。(写真②)。すぐ隣は、壁はなく、住宅(アパート)が並びます。鋼鉄の壁は、すべてを覆っているのではなく、測定器の置かれたところだけです。これで適切な測定ができるのか。また、一か所だけでいいのか。比較の上でも、複数配置が必要ではないか。交渉事項です。

保育所設置問題で、市まちづくり課交渉(その2)

保育所設置問題で、市まちづくり課交渉(その2)
 
 
3月22日、〈まちづくりを考える会〉は、横浜市行動を行ないました。都市整備局地域まちづくり課です。
 参加は、住みよい綱島・箕輪・日吉のまちを考える会からは、木間代表ほか4人。まちづくり課では、課長の岩村さん、係長の岡田んさんほか職員1人に対応頂きました。 二つの点で、「聞きただし」を行ました。
 
   
 
         
 一つは、港北区箕輪町2丁目への認可保育所解説について、もう一つは、地区計画における認可保育所の配置場所の変更についてです。
 回答は岡田係長が行いましたが、きわめて重要な内容が連発されました。
 
  (1)については、
 
①会の陳情に対する議会議長から回答にあるように、2018年3月の時点では、野村が予定する保育所の規模については90人程度と聞いていた。これは確認した。それが昨年2019年冬、野村不動産から「定員の変更」の話があった。保育所を運営するテナント会社との話し合いの中で、60人程度にかえたいということだった。現在、「90人に戻して欲しい」と提起しているが、まだ決まっていない。まちづくり課には戻させる権限はない。何人になるのか?協議を継続している状況だ。
②待機児童問題については子ども青年局が担当だ。関係部局と連携して、地権者に適切な 対応をとるように求めている。
 何人分の保育所があれば、待機児童を出さずに済むのか、判断する権限は持っていない。 また、開発業者に何人のものをつくれ、と義務を課すことはできない。
保育所の安全への配慮や避難計画については、3階の場合でも避難経路の規定など、建築基準法によってチェックされる。まちづくり課には審査の権限はない。建築基準法にのっとり確認申請が下りた段階では、安全に配慮されたものになっているはずだとしかいえない。
 商業棟の5階相当が、低層ではないと一概にはいえないのではないか。法律に則して判断できるものではない。
 
  (2)については、
 
野村不動産が、2018年2月22日に市に提出した「地区計画」の届け出文書はたしかに存在する。ただ、それが、野村の提出した計画が、地区計画の決定と異なるものである(これは野村側の認識であった。「会」と野村側との話し合いで、野村の担当者、永井氏が確認している。また、ごく常識的に見ても、そうである)が、それが地区計画に違反するほどの変更であるのかどうかを、市の側に問い合わせるもの(文書)だという認識を、受け取った側としての市としては、なにももっていないということでした。
そもそも、文書は変更届というものではなかった、というのです。したがって、それに対し、市は、認めるとも、認めないともいうものではなかった、とのことでした。重大な変更だとは全く認識していない、というのです。これは、届出を受け取っただけで、変更の事実を見逃した、という可能性もあることを疑わせます。
②ただ理屈として、なぜ、そういうことなのかについては、「中央広場に面した低層部」に配置されるべきは、「生活支援施設」であり、「保育所、集会所、地域交流機能や就労支援機能を備えた施設等」というのは、「生活支援施設」の例示であり、すべてそれが配置されなくてはならない、配置せよという義務的なものではない。なにもそうしたものが整備されないというのであれば、ただされなくてはならないが、一つでもあれば適合である。野村の計画では、保育所はないが地域交流機能や就労支援機能を備えた施設等の等に含まれるものが配置されているかぎり、違反で、正されなければならないという変更ではないし、変更ですらないというのです。
これは、地区計画決定の、ある種の解釈ですが、その解釈権は、地域まちづくり課が持つ、というのです。
 しかし、それが、言うならば「立法精神」というか、地区計画決定になぜ、ほかならぬ「中央広場に面した低層部」に、配置される生活新施設について、たとえサンプルにしても、なぜ、保育所」が第一に表記されているのか。そこには起案者の込めた趣旨があるのではないか、という質問に、「起案もまちづくり課」という答えでした。 都市計画審議会決定の素案をつくったのは、たしかに、まちづくり課であっても、まちづくり課は、地域住民要求の窓口であり、その要望を地区計画に反映させることを課の存在主旨にしているはずです。
そして、われらも、地区計画の住民要望に反する、まちづくりの名によるまち壊しを導く、高度制限、容積率制限の緩和について見直しを求めました。
しかし、住民要求を反映する面についてまで否定するものではありませんでした。
地域貢献の要素であり、生活支援、生活利便施設など配置です。保育所の配置は、単なるサンプル以上の受け止めでした。それをサンプルの一つ、さらに、サンプルとしても消してしまうが如くの措置が、地区計画の変更とさえ認識されていないのです。そのことが表明されました。
とすると地区計画の決定というのはなんであるのか。住民に対する約束だとすれば、そこにに記されることも、読み替え、別のことにすげ替えられる、いうのであれば、これは、一種の詐欺ではないか。決定文書は詐欺文書なのかの疑問がわきます。
 都市計画審議会の素案、原案の、文言自体は、素案から一字一句の変更も行われませんでした。そのことに住民はたいへん不満をもちました、しかし、そうだったとしても、決定は都市美建艦審査部会の審議を含め、審議会審議を経た決定であり、とくに、素案発表に先立つ審査部会での審議は、素案に反映されています、そこでは、建築物にしても、圧迫感を低減すること、周辺地域との調和を実現することが決められています。さらに、綱島街道沿い、中央広場に沿った低層部などに、生活支援施設、生活利便施設の配置を定めています。これの決定には、住民要求が反映されtいます。勝手な解釈で、あいまいにされていいものではありません。解釈がまちづくり課の独断であってよいわけはではありません。
 野村不動産のC工区の建築計画について、どういうやりとりがあったのか。まちづくり課の中で、なんの議論もなかったのか。検証が不可欠です。それに関連する文書の提示を求めました。2週間の作業の上、提示を受けることになりました。