横浜市長への公開質問状
横浜市長への公開質問状
(陳情書)
港北区箕輪町2丁目地区地区計画エリアに認可保育所を一ヶ所設置するだけでなく、A,B,C各工区全てに保育所・保育施設を配置
すること等、横浜市の緊急施策を求める住民の要望
横浜市長 林 文子 殿
2019年6月25日
住みよい綱島・箕輪・日吉のまちを考える会
代 表 木間 誠司
*提出受領後2週間以内に回答してください。
はじめに~公開質問状の提出にあたって
「住みよい綱島・箕輪・日吉のまちを考える会」(以下「会」)は、この間、港北区箕輪町2丁目地区地区計画に基づく地域まちづくりについて、横浜市(地域まちづくり課)及び、野村不動産株式会社(以下野村不動産)と「話し合い」を重ねてきました。
言うまでもなく、箕輪町2丁目地区地区計画に基づく地域まちづくりは、たんに野村不動産の高層集合住宅(1320戸)づくりではありません。そのことを含む「市街地づくり」です。それは、野村不動産が事業計画説明会で度々言及する通り、「横浜市の地区計画に基づいて行われる」事業です。
私たちは、その開発事業が、住みよいまちづくり、なにより、豊かな地域生活~住民の生活の質の向上~をつくりだす取り組みである限り、賛成であることを表明してきました。
同時に、その立場から、地区計画が横浜市が従来から進めてきた、この地域を郊外型住宅地域とするまちづくりの方針を切り替え、いわば、特区的に都市型住宅・市街地づくりを持ち込み、土地の高度利用を名目に、周辺地域と不調和な高層住宅棟を提示する点において、街づくりの名によるまち壊し、豊かな地域生活を圧迫し、生活の質を低めるものだ、と批判してきました。
現在、60mに及ぶ高層の住宅棟が立ち上がりはじめるにつれ、周辺に異様異質の空気が流れはじめています。
住民の間には、新しい地域の相貌に期待、希望をもたれる方もいることでしょう。
それ以上に、不安と失望を感じる住民も少なくありません。住民の分裂の進行こそ、住みよいまちづくりに反することであると私たちは考えます。
その背景を見ると、地区計画によって規制緩和された建築物の高さ制限(60mまで)、また、容積率制限(250%まで)について、野村不動産の3棟の高層住宅棟の建築計画では、まさに高さ、容積率とも規制数値の目一杯、最高限度が追求されている現実があります。その一方で、規制緩和とは反対に規制が加えられた「中央広場」「貫通道路」「緑地」など地域貢献の「公共的用地」の広さなどについては最低限にとどめられていることです。
このアンバランスはいずれも、計画の枠内で「合法」といわれます。
しかし、高層住宅の周辺地域に及ぼす圧迫感の緩衝体として配置される低層棟については、地域貢献の施設として生活支援施設、生活利便施設の配置が定められたものの、必ずしも地区計画通り行われていません。
むしろ、地域住民の要望が反映されたものが事業者の都合やテナントの要望によって変更される事態が起こっています。
横浜市は開発事業者に対し、地区計画の徹底順守を求める立場と責任をもちながら、変更の事実を直視せず、地区計画の解釈権を濫用し、地区計画の地域貢献の要素の骨抜きにする変更を容認し、事実上、協力しているのではないかとの疑義を生じさせるものです。
私達の公開質問は、この事態の究明と解決に向けたものです。
公開質問に対する横浜市の真しな検討と回答を求めます。
(一)
2018年、横浜市は箕輪町2丁目地区地区計画を決定しました(2018年12月7日)。
その後、野村不動産は、地区決定に基づく建築計画をA,B,C,Dの4つの工区に分けて、発表し、市の条例(横浜市中高層建築条例、同開発事業の調整等に関する条例)に基づく住民説明会を工区ごとにそれぞれ行っています。
計画説明に対する住民の意見書の提出~野村不動産の回答、再意見書の提出~回答の手続きは、A,B,C,の工区について、既に3回繰り返されています。
横浜市はそれぞれについて野村不動産の計画が地区計画に適合するかどうか判定し、すでに、二つの工区(A、B工区)について「適合」との判定を下しています。
現在、C工区について判断の最中です(2019年6月21日現在、地域まちづくり課)が、この過程で明らかになっていることは、各工区ともに野村不動産の計画は、高さ制限、容積率において緩和された規制(高さ20m→60m、容積率200%→250%)目一杯を3棟の高層住宅棟において計画していることです。
その一方で、「圧迫感の低減」「周辺地域との調和」また、「公開広場」「貫通道路」「生活支援施設」や「生活利便施設」などを通じた「地域貢献」については、その最低限にとどまり、それさえも必ずしも計画通り行われていないということです。
野村不動産やテナント業者の都合や判断で、〈地域貢献〉とうたい、地区計画にも書き込まれてきた生活支援施設の配置や内容が見直され、変更されている現実があることです。
(二)
具体的に保育所施設についてです。
港北区は、本年、希望した保育所等を利用できない子どもの人数は557人を数えました。前年に比して50人増、待機児童も横浜市の全体46人の4割を占めます(資料「港北区子ども家庭支援課」2019年6月3日)。
保育施設の整備は緊急の課題です。
中でも、箕輪町1~3丁目、日吉1~7丁目、日吉本町1~5丁目地区は、現在、市立保育所は一ヵ所のみで、保育所・施設の整備の必要性がとりわけ高い「重点整備地域」に指定されています(こども青少年局保育対策課)。さらに加えるに、箕輪町2丁目では、この間、地区計画の下で、野村不動産の開発計画がすすみ、今後、1320戸の大規模集合住宅が作られ、3000~4000人の人口増が想定されるのです。
多世代に開かれた集合住宅地とうたわれ、若い世代の参入も期待されている以上、保育所・保育施設の重点整備の必要性は一段と高まることは必至です。
「会」は、先に横浜市市議会に対し、「箕輪町2丁目地域における保育所の設立を求める陳情」(2018年2月)をおこないました。
これに対する、市議会議長からの回答(2018年3月26日)は、「‥保育所については定員90人程度の認可保育所を計画すると聞いている」「よって野村不動産株式会社が建設予定の共同住宅3棟全てに認可保育所の設置を指導する必要はないと考えている」というものでした。
「会」として、その後の進展について横浜市(地域まちづくり課)に確かめたところ(2019年4月16日)、野村不動産と、定員90人の認可保育園をつくるということで話し合いが進んでいるとのことです。
おおいに歓迎するところです。
しかし、同時に、それだけは足りないことも率直に申し上げなくてはなりません。
しかも、今、計画されているのは集合(共同)住宅の住民専用の保育施設ではなく、横浜市の認可保育所であって、入所できる子どもは、地域住民全体に開かれているものです。応募者から「保育を必要」とする度合いの高い子どもが優先的に処遇されることになります。
したがって、今、建設中の、集合住宅地に隣接する「箕輪小学校」が、集合住宅地を校区とするのとは異なって、集合住宅に住んでいるからといって、エリア内の認可保育所に優先的に入所できるということにはなりません。
入所できなかった子どもと親が、受け入れ先を求めて周辺地域の保育所・施設にあふれでることになります。
この危険は野村不動産も認めるところです。また、横浜市がこの地域を保育施設の「重点整備地区」に設定する理由の一つです。緊急の対策が市と野村不動産に求められる理由です。
地域まちづくり課と野村不動産との話し合いでは、一つの認可保育所の配置以上の「さらなる取り組みについては引き続き協議する」とされています(A工区の地域貢献施設棟の活用ほか。2019年4月17日、野村不動産との話し合いにおいて、野村不動産側から、『横浜市当局〈まちづくり課〉との話し合いの結果、「野村不動産は、B工区商業棟3階に配置する保育所は、定員60人ではなく、90人とすることで合意した」(4月12日)、また、「追加的部分はさらに話し合いを続ける」』との報告が行われた)。
当然のことと認識します。
同時に、横浜市はもう一つの認可保育所の配置を野村不動産に要請すること求めます。そのことをはじめ、開発地域を含む地域全体の保育所・保育施設の拡充に向けて横浜市としての特段の施策を緊急に行うことを求めます。
(三)
これまでにおいて、横浜市は、大規模開発の当事者である野村不動産に、保育所・保育施設の拡充整備について、どのような協力要請を行ってきたのでしょうか。
横浜市は50戸を越える規模はもとより、200戸を越える規模のマンション開発を行う業者に対し、保育所の配置の協力要請を行っています(こども青少年局保育対策課)。
野村不動産の事業の予定戸数は、1320戸です。200戸相当のマンションにすれば、6棟分を越える規模です。
にもかかわらず、横浜市議会が「保育所については定員90人程度の認可保育所を計画すると聞いている・・・よって野村不動産株式会社が建設予定の共同住宅3棟全てに認可保育所の設置を指導する必要はないと考えている」とされたように、行政側としても、保育施設確保要請は「90人認可保育所」案で解消されてしまい、結果として野村不動産の三つの住宅棟の規模(住戸数、200戸規模6棟あまりに相当)に見合った保育施設確保への協力要請が行われず、野村不動産の開発計画全体が特別扱いとなってしまったのではないか、他のマンション業者との公平に欠く手続きになってはいなかったか、との疑いがあります。
1320戸という桁違いの規模の開発地に、わずか90人規模の認可保育所1か所の計画にとどまっている事実が、その疑い裏づけます。
少なくとも「建設予定の高層集合住宅3棟全てに認可保育所・保育施設・空間の配置」といった野村不動産株式会社側の対処を引き出すまでは、横浜市の協力要請は届いていないと言わざるをえません。
野村不動産には、一ヵ所の保育所配置=「地区計画通り」で、終りとしないで、地区計画に基ずくまちづくりへの貢献を企業の社会的責任の一部として、さらなる保育所の配置などの施策を一層進めることを重ねて求めます。同時に、この問題についての横浜市自身の認識と姿勢をあらためて問いたいと思います。
(四)
以上のことについて「会」は、この間何度となく、野村不動産と地域まちづくり課と話し合いを行ってきました。あえて市長に公開質問を発するのは、その話し合いを踏まえた上のことです。
話し合いを通じて、浮かび上がってきた問題は、行政民主主義の基本にかかわることと認識するからです。端的にいって都市計画としての地区計画決定の評価についてであり、具体的には「保育所」の配置についてです。
地区計画決定で、計画のA地区の住宅棟については、高さ60m容積率250%の建築物三棟(住宅棟)の大規模建築が可能となりました。建築物の高さ制限、容積率制限の規制緩和がされたのです(20m→60m、200%→259%)。
その周辺地域に及ぼす負担(長大感、圧迫感、ボリューム感)の代償にはなりませんが、地域貢献の名目で〈中央広場〉また、集合住宅内〈貫通道路〉、緑地などが一定程度、確保されました。〈公共広場〉〈公共道路〉として地域に開かれた用地です。
高層建築の周辺には低層棟が配置されました。
一つは「中央広場」に面し、もう一つは、「綱島街道」に面し、住宅棟を囲みます。いずれも、可能になった高層住宅棟の周辺地域に及ぼす圧迫感の軽減をはかる緩衝体となるものです。同時に、生活支援、生活利便施設が配置される地域貢献の機能を担うものとされたのです。
こうした配置は地域住民にとって、いかなる意味をもつのなのか。
地区計画は、「中央広場」について、以下のように記しています。
「本地区の中央部に、綱島街道に面して、地域の交流・憩いの場としての機能、地区内の生活支援・生活利便施設と連携し多様な活動を支える機能等を備えた地 域住民が多目的に利用できる中央広場を整備する。」
そしてまた、「土地利用の基本方針」として、
「・・(3)綱島街道沿道については、にぎわいのある緑豊かな街並みを創出するため、地域の活力を支える生活利便施設及び緑化空間を連続的に配置する。(4)コミュニティの育成に寄与するよう、中央広場に面して、生活支援機能を配置する・・」というものです。
こうした高層棟(住居棟)と低層棟(生活支援棟、生活利便棟(商業棟)の構成デザインの意図は明確です。大きく焦点となるのは地域貢献です。
問題は、それぞれに配置される、生活支援施設、生活利便施設の内容です。どういうものを整備するのか。
この点では
1 綱島街道に面した低層部に、店舗や飲食店、診療所等の生活利便施設を連続的に整備する。
2 中央広場に面した低層部に、保育所、集会所、地域交流機能や就労支援機能を備えた施設等の生活支援施設を整備する・・・
としていました(地区計画決定「建築物等の整備の方針」)。
「等」とされるなかに何を組み込むのかは明示されていない点を除くならば、明解です。ちなみに、こうした施設の整備方針は案は、地区計画の決定に先行して行われた野村不動産の箕輪町2丁目開発計画の住民説明会(2016年8月22日)で提起された構想と照応一致するものでした(資料①)。
(五)
これに対し、野村不動産は、A工区の建築計画の届け出(2017年2月22日)の時点で、重大な計画変更を明らかにしました。届出書類に、A,B,C,D工区全体の図面をつけ、生活支援施設・生活利便施設など地域貢献施設の配置について、それまでに、地域住民に行ってきた説明会(条例に基づく)で明示した計画とは異なった方針を提出したのです。(資料②)
具体的には、地区計画で配置を決めた「保育所」について、「中央広場」に面した「低層部」(生活支援・地域貢献棟)に配置(C工区)するのではなく、「綱島街道」に面した低層棟(商業棟)の3階(住宅棟5階相当)(B工区)に置くというものが一つです。
この変更の事実を、野村不動産はB工区の建築計画の説明会で住民に知らせることをしませんでした。
その後の追及で、野村不動産の担当者は、意図的ではなかったとしながらも、その非を認め、住民に謝罪しています。合わせ、変更の意図を
「・・保育所のプライバシー性やセキュリティへの配慮、さらには最上階とすることで屋上 部分に園児専用の園庭が設けられること等」「また、持続する運営をテナント様にしていた だくうえで、保育園だけでなく、物販やクリニック等のその他施設についても、店舗の場 所、賃料等の条件の中でご要望をいただいております。」「保育園施設を希望する地域要 望と運営する側の要望を相互に判断して現状の3階とさせていただきます」(「仮称)日 吉箕輪町計画B工区調停回答書」2018年12月20日)
と言明しました。
また、
とも述べました。
こうした変更の理由と経緯の説明は、地区計画で提示されている「中央広場」に面した低層部を「保育所」の配置の場所として選ばないとの判断を前提にするものでした。「中央広場に面した低層部」の場所が、保育所施設のプライバシー性や利便性、セキュリティー上、難点があるということなのでしょうか。
あるいは、園庭の確保に困難があるということでしょうか。
そうであったとしても、「保育所は中央広場に面した低層部」に配置するとの決定とどういう整合性があるのでしょうか。
端的に言えば地区計画に一致しない変更ではないでしょうか。
箕輪町2丁目の地区計画で、地域貢献のために確保された「中央広場」に面する低層部(C工区)には、生活支援施設が配置されることが決められています。
その内容として地区計画には「保育所」が書き込まれています。
「保育所」は、保育を必要とする子どもと働く親にとって、切実にして、死活の生活支援施設です。その支援なくして現代の共働き家族の子育て生活は成り立ちません。 「保育所」は、歴史的に様々な実践で試され、資格持つ保育士の配置や子どもの保育に必要な空間も求められる等制度化された福祉施設でもあります。
そして、なにより地域住民の要望です。
これに対し横浜市は「中央広場に面した低層部」に配置される地域貢献的施設は、生活支援機能を持つものであれば、保育所でなくてもいい、他のものでいい、地区計画は保育所でなくてはならないという拘束性を付与していないという判断(解釈)を示しました。
というのです。
そのことから、「中央広場に面した低層部」に保育所が配置されていないとしても、他の「生活支援施設」が配置されているならば、地区計画に「適合」と判定したのです。
野村不動産も、また
としました。
「生活利便施設」と「生活支援施設」とが混乱していることは今問いません。地区計画にのっとり「現在、中央広場に面した位置においては上記方針に沿った生活支援施設の計画を進めている」という確認が重要です。
現在、保育所ではなく、生活支援施設・機能として配置が予定されているのは、コミュニティースペース(集会所)、シェアオフィス(就労支援機能)、コワーキングスペース(就労支援機能)、ファブラボ、(就労支援機能・地域交流機能)、コミュニティカフェ(地域交流機能)などです。それぞれ集会所機能、就労支援機能・地域交流機能を担う、重要な取り組みでありうるものでしょう。
しかし、これらは実施主体がどういうものであるかによって活動内容はいろいろに異なるものです。実践例としてもまだ限られており、担当者の専門性や育成などに散らばりがあります。
そのようなものとしていまだ制度化されているものとはいえません。とはいえ、地域住民の共同のための空間配置や就労支援的な働きは、地域住民の要求に対応して展開される可能性を感じられないわけではありません。
だからといって、その取り組みを、制度としても長い歴史を持ち、実践としても幾多の積み重ねがあり、また、横浜市としても設立運営管理の条例やガイドラインをもっている社会的組織としての保育所(認可)施設と同次元で評価できるものでしょうか。
一企業の自発的試みとしては有意であったとしても、地区計画に基ずく地域貢献の生活支援施設として社会的存在でもある「保育所」と同じ次元で評価されたり、それに代わることがことができる施設ではないということです。
その意味から、生活支援施設であれば保育所でなくともよいと解釈し、「中央広場に面した低層部」に「保育所」を置かない計画が、地区計画に適合するとする解釈は、地区計画決定を恣意的に歪めるものであると考えます。
また、保育所という施設をあまりに軽く考えていると言わざるをえません。
あらためて「中央広場」に面した低層部に、地区計画にもとずき、保育所・施設、学童保育施設の配置を要望いたします。
私たち住民は、よりよい住環境、住みよいまちづくりに向けて地域貢献施設の配置を求める立場から、子育てしながら共働きの若い世代にとって保育所は死活的に必要な生活支援施設と認識してきました。それが、「プライバシー性」の確保はもとより、「利便性」の高い施設であってほしい、保育施設の特質に配慮した福祉的なものであってほしいということはこれまた当然の要求だと認識します。
地区計画決定では、保育所は他の生活支援施設の例示に先立って第一位に記述されています。
そうした仕方で優先順位が与えられたと理解してきました。少なくとも、そうした住民要求を反映している事項だと認識してきたのです。
(六)
一方、地区計画では、綱島街に面した低層棟には、商業施設を想定した「生活利便施設」を配置するとなっています。
生活利便施設として挙げられるのは、「店舗や飲食店、診療所等」です。
その配置を巡って「店舗の場所、賃料等の条件の中でご要望をいただいております」(野村不動産)とされる如くテナントからのいろいろな要望が寄せられるのは事実でしょう。「店舗」の場合、3階よりも1階でやりたい、3階は勘弁してほしい」など要望するテナントがいてもおかしくありません。
問題は、そうした要求をどのように整理するのか。その判断基準をどこに置くのか、です。適正に配置されるべき施設・機能の意味を、まちづくり、地区計画の地域貢献の視点からどうとらえるのかです。
少なくとも、保育所は、「店舗や飲食店」と同じ商業施設ではないのです。
野村不動産は、生活支援棟に「認可保育所」を配置せず、商業棟(生活利便施設)に配置する計画変更を、みずからから横浜市に提起したといいます。
その変更は当初のものと位置(場所)が異なっているとの判断から、その変更が、地区計画決定の範囲内の計画変更として認められるのか。
横浜市への提案は、その判断を問う意味があったといいます。
この提起は2019年2月22日にA工区の建築計画の申請書の提出時に行われたとのことです。
しかるに、横浜市まちづくり課は、野村不動産の保育所の配置場所の変更をそのようには受け止めませんでした。否、見逃しました。
A工区工事計画の届出の段階で、市は、野村不動産は野村不動産の計画変更を知ることができる立場にありながら、変更を変更として「認識」しなかったのです。
というのです。
地区計画の全体的視点にたって、個々の事業内容が、地区計画に逸脱していないか、順守されているかを判断する立場にある横浜市において、この変更の見逃しは容認されるミスなのでしょうか。
野村不動産が、A工区の建築計画を横浜市に提出した際(2017年2月22日)に添付した図面は、「地域貢献施設配置図(全体)」とされるものです。手続きの上では、適合不適合の判断が問われたA工区に絞った情報ではありません。
それ故にか、横浜市はB工区商業棟の変更図面を、地区計画との適否判断の対象となる資料とは見ませんでした。つまり、横浜市としては提出書類において、変更の適否を問われたという意識は全くもたなかったのです。
しかし、そこには、B工区の地域貢献東(商業施設棟)の内容の変更だけでなく、A工区、さらにC工区を含めた地域貢献施設の配置の全体が描かれていたのです。
横浜市が「保育所の位置」の変更を認識したのは、B工区の建築計画が提出された時点だった、あるいは、その時点以降だったといいます(2019年4月21日地域まちづくり課)。
手続き上は、工区毎に、いわばバラバラに計画提出され、関係する地域住民もその度にバラバラにされ、計画提出(適否認定)もバラバラに行われるというのは、計画提出審査を求める条例が、今回のような大規模開発計画を想定していなかった、という事情もあるでしょう。
そうであればこそ余計に、判定判断を行う地域まちづくり課が、個々の計画の評価において全体的視点を重視・貫徹することは、不可欠のことです。
住宅棟の高さ制限、容積率等はそのように厳密に評価されました。
そして、本来、地域貢献施設の適切な配置も、今回の地区計画の重大な柱の一つであり厳密の評価点検されるべき事柄だったのです。
A工区の中にも、地域貢献施設の配置がある以上、A工区の中の地域貢献施設の配置が、全体の中でどう評価されるのか。その視点に照らして評価することなしにA工区の計画の適否の判断はできないともいえることでした。
保育所配置は、B工区のことだから関係なく、参照しなかった、というのでは、それが単にB工区の商業棟の問題だけでなく、地域貢献施設の配置図(全体)であったことを見落としていることを意味するのであって、そのことの重大性を物語る以外のことではありません。
それは、B工区の変更を参照・認識しなかった理由にはなりえません。
犯したミスは小さくありません。
まずは、ミス(見逃し)が事実であったのかどうか、市長として確認いただきたいと思います。
地域まちづくり課は、変更を「認識」した段階以降、というべきでしょうか、野村不動産の「綱島街道に面した」商業棟(3階)に認可保育所を置く計画を、箕輪町2丁目地区地区計画に「適合」するものと判定しました。
つまり、地区計画上の変更には当たらないというだけでなく、変更そのものが存在しないという判断したのです。驚くべきことです。
(七)
保育所については今後、横浜市の認可保育所としての設置申請が提出された段階で、市の設置基準に適合するものであるかどうかを判断する(子ども青年局保育対策課)とのことです。それはそれとして必要な手続きです。
しかし、保育所の配置先の商業棟は、地区計画では、「生活利便施設」の配置と定めています。しかるに、保育所は生活利便施設ではなく、生活支援施設であるのです。
これを地区計画に「適合」と判断することができるのでしょうか。
もし適合だとすると、横浜市は、保育所という存在を、住民の「生活支援施設」としてではなく、「店舗や飲食店、診療所など」と同じ「生活利便施設」と評価してもよいと考えていることになります。
あるいは、「診療所」が、生活利便施設の一例であれば、当然、「保育所」もそうだということでしょうか。
その考えで行けば、「店舗や飲食店」も「生活支援施設」といってもおかしくありません。「生活支援施設」であろうと「生活利便施設」であろうと、それが混合しようとも、地域貢献施設として適切に配置されていれば地区計画決定上なんら問題がないということでしょうか。
実際、野村不動産の計画では、商業棟は、階別に生活利便施設、生活支援施設と分けられています。さらに、中央広場に面した生活支援施設棟は、生活利便施設に塗り替えられています(野村不動産の提出した地域貢献施設:配置図(全体)資料②参照)。
地区計画決定では、地域貢献施設として配置する施設とその配置場所について一緒くたにはしていません。
生活利便施設(商店など)を配置する棟(B工区)に生活支援施設(保育所など)を配置したり、逆に、生活支援施設(C工区)の棟に生活利便施設を配置するなどの変更は、二つの性格の区別を無意味化し、ひいては地区計画決定自体の意義を失わせることになります。
行政は地区計画決定の忠実な実行を監督・点検・評価する責務を負う以上、そのような変更を安易に容認する行為は、行うべきではありません。
よりよい環境整備を追求するすることは当然としても、業者の都合で地区決定の解釈をゆがめ、決定を軽んじるようなことは行うべきではありません。
地区計画決定の解釈権、適合、不適合の判断権は、市長にあるとのことです。
地域まちづくり課は、その権限を受けて解釈し、判定・判断をしているとのことです。
その判断が正当なものであるのかどうか。きわめて重要です。
その点で、地域まちづくり課の解釈と判断は、地区計画から逸脱しているだけでなく、地域住民の解釈と判断、なにより、住民要求と大きくかけ離れていると言わざるを得ません。市長に質問する所以です。
(八)
地域まちづくり課は、「綱島街道に面した低層部」について、住宅棟5階相当の3階でも、高層の住宅棟に対する低層棟の中であり、その3階であるのだから「低層」だ、したがって、新たに保育所を3階に配置しても「低層部に保育所」という地区計画に反するものではないと解釈しています。
しかし、低層棟の「低層部」は、1階、せいぜい2階でしかありえません。市の言い分は詭弁としが聞こえません。
問題は、保育事業という事業の性質からして、それは「低層部」で行われるべきであるという認可保育所の設立の横浜市の基準の問題です。
低層部は、通常の理解で2階以下です。それが安全安心の保育所実践の上で必要なことなのです。
5階相当の位置にもかかわらず、1~2階相当の低層と読み替え、緊急時の行動の負担と危険を保育者、また、子どもに押し付けるようなことを横浜市は行うべきではありません。
箕輪町2丁目の地区計画エリア内で横浜市の認可保育所設置認定に当たり、子ども達の保育に《最善のもの》を保障する義務(子どもの権利条約)、また、市の保育所設置基準、さらに、地区計画の決定・方針からして、当該保育所・施設は、なにより、子どもに豊かな保育所生活~保育の質の向上~と安心安全の保育活動の必要から見直し「低層部」(1階ないし2階)置かれるべきと考えます。
(九)
高さ60mぎりぎりの高層マンション住宅棟3棟が密集し、超高層ビルとは異なる特異・異様な形態〈綱島街道を裏壁とする如く〉の圧迫感について、壁面の位置の道路隣地からのセットバック、低層の中央広場、綱島街道に面する緩衝棟や樹木の配置、外壁の色形の意匠的工夫などあれこれの「圧迫感低減」の措置(地区計画決定)が計画されながら、それらが本当に「圧迫感」を低減になるのか。
住民要求にもかかわらず、その検証は一切行われていません。
A工区住宅棟の1/100の意匠模型が作られながら、周辺地域との比較はなく、一般に公開されてもいません。
圧迫感、威圧感は瞬間的、一代的なものではありません。
日照・景観問題等とともに長期の住環境の要因です。
開発の本来の目的は市街地開発にあるとしても、開発が地域生活の豊かさ、生活の質の向上に貢献するものであるのかどうかは根本問題です。
日照・景観・圧迫感が、孫子代々に、いかなる効果を及ぼすか。
高層住宅の居住性、周辺地域との調和性について、歴史的(未来展望的)視点での検証も不可欠です。
これから数十年を超える長きに渡って周りの地域住民を苦しめ、憲法の命ずる個人の尊厳の尊重や、幸福に暮らす権利、幸福追求権(憲法13条)の侵害という効果に帰着することにならないか。
住民の危惧するところです。
ここで取り上げたのは保育所問題ですが、集合住宅に居住する住民も、周辺地域住民も、ともに地域住民として共有する生活支援施設としてイメージされる以上、その配置の不足や歪みが、地域住民の間で不必要な対立・混乱を引き起こすことはまちづくりの観点から、もっとも回避されなくてはならない事柄の一つです。市行政の適切な対処を求めます。
(十)
建築の規模、意匠とともに、とくに、地域貢献施設機能の計画については、都市美対策審議会では地区計画を基に幾度となく審議されてきました。
その認証を受けた内容で、事業者の野村不動産は住民に説明してきました。
その手続きを終えた後に、有識者の審議認証の結果でもある計画内容を審議会に対する何の手続きをせずして変更出来てしまうことは、審議会の審議と決定(認証)をあまりにないがしろにするものです。
審議会、審議員に対する無礼であり、ひいては、市民住民に対する無礼であると言わざるをえないものです。
そして、横浜市はそのようなこと行うべきではありません。
住民側は、地域開発はよりよい住環境の実現であって欲しい、そのことで地域生活が豊かになる、生活の質が向上するものであってほしいということが基本的なものです。
そうであればこそ、地域に溢れるばかりの大規模建築が周辺地域との調和を侵し、周辺住民に長大感、圧迫感を押し付けるのではなく、同時に、広場や道路(狭隘道路の解消や歩道の確保を含む)、緑地などの整備とともに、生活支援施設にせよ、生活利便施設にせよ、まともな地域貢献事業の実施を求めるのです。
その立場から、保育所配置など、現在進行する箕輪町2丁目地区地区計画の到達点を問題点について横浜市の主催による、事業者、地域住民、そして、建築専門家の公開意見討論会の開催を求めます。
以上、横浜市長の回答と見解を求めます。
(質問項目)
ー 箕輪町2丁目地区開発計画において予定される認可保育所は1ヶ所だけなく もう1ヶ所以上開発地区(集合住宅エリア)内に設置すること、併せ、高層 住宅全棟(3棟)に保育施設・機能空間を配置するよう野村不動産に要請す べきことを求めます。
一 「中央広場」に面する「低層部」(A・C工区該当)に生活支援施設として保育所・保育施設を配置することを最優先とすべきことを地区計画に基づき、明確にしてください。
一 横浜市は、開発主体(野村不動産)の「商業棟の3階(住宅棟5階相当)に保育所を配置する」との計画について、商業棟の3階(住宅棟5階相当)は地区計画に定める「低層部」と一致するとみて、「地区計画に適合」との判断を行っていますが、商業棟の3階(住宅棟5階相当)を「低層部」と判断する根拠を示してください。
一 90人定員規模の保育所施設の3階配置は、緊急災害時など安全安心の避難に重大な危惧を伴わざるを得ない以上、定員を見直すなど認可の可否条件を明示してください。
一 横浜市の認可保育所が不特定者が利用する「生活利便施設」(商店など)と併 置される以上、出入り口、エレベーター、階段など、利用者の「プライバシ ー」擁護や緊急時の安全安心の体制確保など、環境整備に対して特段の措置 が取られるよう指導してください。
一 地区決定の解釈において、地区計画に反映された地域住民の要求や専門家の 審議決定を尊重して下さい。誤った解釈や歪曲は訂正してください。
一 地区計画の決定と異なる地域貢献の生活利便施設、生活支援施設の配置などの計画変更等については、市民住民に丁寧に説明し意見を聞くことや、計画・方針の決定に参与した審議会に経緯を示すなど行政の長として最低限の責任を果たしてください。
一 地区計画では集合住宅の周辺地域に対する「圧迫感低減」〈調和〉の措置と市 街地づくりへの貢献が決められています(地区計画決定)。しかし、それらの 検証は都市美審議会景観審査部会での検討以外、一切行われていません。現 在進行する開発計画の現状を多面的な視点から、とりわけ地域住民の受け止 めを介して検討評価するプラットホームの作成、あるいは、事業者、建築専 門家、地域住民・団体ほか関係団体個人の参加する公開シンポジウム等を市 が主導して開催してください。
資料①
資料②
参考資料
- ① (仮称)日吉箕輪町計画B工区 調停回答書
181220 野村不動産株式会社
■保育園問題
①3階から1階(2階以下)への移動
●保育所のプライバシー性やセキュリティへの配慮、さらには最上階とすることで屋上 部分に園児専用の園庭が設けられること等より、防災面への避難動線を確保した上で 3階設置の計画としております。
また、持続する運営をテナント様にしていただくうえで、保育園だけでなく、物販やクリニック等のその他施設についても、店舗の場所、賃料等の条件の中でご要望をいただいております。
保育園施設を希望する地域要望と運営する側の要望を相互に判断して現状の3階とさせていただきます。
- ② 住みよい綱島・箕輪・日吉のまちを考える会 御中
2019.2.22
事業主:野村不動産株式会社
協力会社:株式会社フォエバーサンクス
拝啓 時下益々ご清祥のことと存じ上げます。
2月15日の打合せ時に頂きました、保育所の質疑に対して下記の通り回答申し上げます。ご理解賜りますよう、何卒、よろしくお願い申し上げます。
記
〈仮称〉日吉箕輪町計画にて計画している保育所に関しましては、セキュリティ等の利便性プライバシー確保する保育所の用途上の性質への配慮より、当社より横浜市へB工区商業棟3階への計画を提案いたしました。その後、横浜市との協議および手続きを経て、現計画に至っております。
港北箕輪町二丁目地区地区計画の方針内に記載されている「中央広場に面した低層部に保育所、集会所、地域交流機能や就労支援機能を備えた施設等の生活支援施設を整備する」との内容につきましては、中央広場に面した位置に、「生活利便施設」(ママ)を設けることが主旨であり、その例として保育所等が挙げられている次第でございます。現在、中央広場に面した位置においては上記方針に沿った生活支援施設の計画を進めております。
また、階数の設定につきましては、先述の配慮をさせていただいたことと合わせて、低層部という与件を満たしていると考えております。
つきましては、保育園の位置に関しまして、地区計画その他法令上の問題はないと考えております。
以上
野村不動産との第10回目の話し合いの報告
野村不動産との第10回目の話し合いの報告
2019年7月6日
7月3日、6時から、日吉地区センター別館で、野村不動産との第10回目の話し合いが行われました。参加は「会」から、木間代表、金沢、渡部、西川、渡辺、先方は、野村不動産の永井、フォエバーサンクス、那波、高橋、そして、設計・施工担当の三井住友建設から担当者二人が参加しました。
話し合い合われたことは、①三井住友建設の方が参加して、「Ⅽ工区の工事着手」に関して、②騒音・振動計の配置について③保育所問題など、事業計画について、とくに、「サービス付き高齢者住宅」(D工区)についてでした。
工事遵守事項をめぐって
①では、三井住友建設から、「〈仮称〉日吉箕輪町計画 C工区 新築工事着手のご案内なるものが、説明されました。
C工区は、まだ、横浜市の建築確認申請に向かう判断がなされていない段階と思われますが、それへのステップで、事実上の、住民への工事説明会であったと思います。
そこには、これまで、野村不動産と話し合ってきた、「工事協定(案)」の反映がありました。同時に、いくつかの論点を残すものでした。
一つは、作業時間についてです。
「昼の時間」も、一定時間、騒音工事を行わない時間をつくることにして欲しい、と要望してきました。深夜はもとより、早朝、夕方、日曜日は工事はしないことは常識になっているの同様、地域住民の市民生活上、昼の時間にも一定、工事をやらない時間、静けさを確保してしかるべきだという点です。
野村不動産は、現場(三井住友建設)の同意が得られない、としてきました。今回、同席した三井住友建設も、あらためて、「昼休みは取るが、作業はいろいろなものがあって一律にやらない時間をとるわけにいかない」ということでした。
確かに、材料の性質上切れ目なく作業を続けなくてはいけない作業があることは確かでしょうが、そうでないものについて、なぜきっぱり止めないのか。やめるときはやめる、その指示を徹底すればいいだけのことではないか。なぜやめられないのか、と論議になりました。周辺の地域住民に迷惑をかけない、この原則問題ではないか、という点です。
三井住友側は、現場はいろいろ工事があっての進み具合がある。一律に休めない。そこを、「やりません」と約束しても、できないことが出てしまう。約束しても、努力目標になってしまう。できない約束はしたくない、という。
深夜、早朝ならば、工事はやらない、やれない。これはつべこべ言い訳は成り立ちません。しかし、昼の時間、となると、きっぱりいかない。「実態として昼休みはとっている。やかましい作業は行われていない」から、明文化しなくとも、との答弁も出ましたが、それが実態なら、なぜ、明文化できないのか。例外は例外で、告知する。この点では平行線になりました。
昼の時間もありますが、朝の問題です。「工事遵守事項」で「作業時間」については、「①作業時間は原則として午前8時から午後6時までとし、その前後に騒音・振動等の発生しない準備及び片付け作業を実施します。但し、杭頭処理等の特に騒音・振動が大きい特定建設作業については、午前9時から午後5時までとします。」とされています。
この点で、ロイヤルマンションに住まう方から、実態として、7時台から、クレーンが動いている。周辺住民としては作業しているとしか感じられない。どうなっているのか。前後に「準備」「片付け」というがどのくらいの前後なのか、実際上作業時間の拡大延長になっているのではないか。あいまいだ、という点が論議になりました。
クレーン車の操作は準備の段階は一人で行われている。倒れてこないか、不案もある。工事自体大規模で、住民のは迷惑行為だが、7時台から動かれてはたまらない。8時は音が出ない作業となっているが、音は出ている。非日常の音は騒音だ。8時以降にして欲しい。場内に敷いている鉄板の上を車が通ると、ガタピシ音を立てる。以前も苦情を出したが、正されていない。など。
では、8時前の準備作業とはどういうものか?
この点では、①クレーンを起こす②ポンプ車の設置、③車両の搬入④職人さんの道具の搬入などとされました。
町会からは、7時半~8時については、子どもの通学上の配慮から、車輛の出入りはやめて欲しい、との申し入れを受けているとのこと。「遵守事項」に書き込むことはしていないが、その時間の車輛の出入りは避けるようにしているとのことでした。しかし、その結果、車輛の搬入が、7時台に繰り上がっていることもあるようです。「前後」の基準があいまいなに崩しに広がっているのです。
そもそも、「遵守事項」には、準備・片付けの作業は「騒音・振動等の発生しない」作業とされています。騒音・振動の出る作業は、ダメ。8時以降にする。これ以外ありません。ちょっとだけならOK、などのあいまいさを残したら、明文化がそれこそ、努力目標になってしまうのではないか。この点は、住民側として厳しくチェックしていることを述べました。
一方、騒音・振動だけでなく「等」があります。「等」の内容は様々なものでありうる。この点は住民の側の受け止めもある。具体的には、子どもの通学に負担をかけない、危険回避の問題がすでに出ていますが、早朝から、非日常の音、また、作業行動が周辺住民に与えるプレッシャーやストレスの問題も発言されました。それが迷惑と感じられるという場合です。
これは、個人差があって、一律に対応できない(いちいち対応していたら仕事にならない)というのが野村、三井住友側の主張のようでした。しかし、それを個人的例外的反応として切り捨てていいのかの追及に対し、「配慮」はする、ということで落ち着きました。
子どもの通学への配慮とともに、どういう「配慮」か、今後の見極めが必要です。
工事現場の騒音・振動をとらえていない~それが配置の目的か!?
②については、騒音・振動計がちゃんと音・振動を拾っているのか、が問題とされました。そもそも、何を測定しているのか。
びっくりしたことは、今回の騒音・振動計は、工事現場の発する騒音・振動だどれほどなのかを測定するものではない、ということが明らかにされたことです。それが、法令に基ずく測定法にのっとっている、というのです。
われらの疑問は、防音壁に囲まれ、集音マイクが外向きになっていては、工事の音がちゃんと拾えないのではないか、という疑問でした。実際、いつ見ても、たいへん低い値しか出ていないのです。
これに対し、今回の測定は、工事音・振動そのものではなく、それが「防壁」でどうなっているかをとらえるもの、「壁」の高さは、1.8m、2m、3mなどあるが、今回は1.8mでやっている。場所によっては、綱島街道の車の音を拾ってしまうので、それは避けたい、というのです。
ということで、計測器の周りが、がっちり「防壁」で囲まれていた訳が分かりました。しかし、「防壁」は、工事現場全てを覆っているわけではありません、
また、音など、上に抜ける。たとえ3mの「防壁」があってもその上は筒抜けなのです。これは、東横線の「防壁」からもわかります。
壁のすぐ隣は、音は小さくとも、2階、3階には、かなり大きい音が響きます。工事現場でもそうでしょう。今回の「騒音・振動計」は、そういう音を拾っていない。いや、拾わないように配置されているのです。それが適法な配置だというのです!!!
われらが、工事音や振動そのものがどれほどかを知りたいのだ、というと、「じゃあ、私が一日立って測定しましょうか」と関係者が馬鹿なことをいう。「現場の音を直接はかったら、とても85dlでは収まらないだろう」とも。それが長く続くならば違法ではないか。そういう事態はないかを検証したいから、計測器を配置を求めてきたのだ。それを主張しました。
もちろん、防壁の効果はあるでしょう。効果ある防壁を配置してもらいたい。しかし、そのうえでも、実際、どの程度の音であり、振動なのかが確かめられなくてはならないのではないか。
防壁でどう軽減されるのか。我らが検証したいのは、その点です。
工事は、AからB、さらにC工区へ進みます。現在の配置場所、配置の仕方が、適当なのか。機器を増やすべき、を主張・要求しました。
配置場所の移動は応じられるが、機器を増やすことは、受け入れられないと回答。 機器を増やすこと拒否する理由はなにか?経費という。どれほどの経費なのかの質問には、回答を拒否しました。
保育所問題につては、「進捗なし」
③保育所問題につては、「進捗なし」との回答でした。
私たちの市長への公開質問状(陳情)を示し、このエリアでの保育所・保育施設の設立配置は、緊急不可欠、野村不動産の3棟高層集合住宅については全てにおいて配置すべきだ。B棟にしても、C棟にしても、地区計画通り、低層に配置することを重ねて求めました。
地域貢献施設の配置図(全体)の新たな問題
④新たな問題として浮かび上がったのは、地域貢献施設の全体配置の図面(野村不動産が、A工区の建築計画を横浜市に提出するにあたって添付2017年2月22日、)の問題です。
野村側は、重ねて、そこで、保育所配置場所の変更はその図面で示したとしましたが、変更はそれだけではありませんでした。
C工区に当たる「中央広場に面した低層」棟について、野村不動産の当初の説明会(2016年8月22日)の説明会では、「保育施設(認可保育)」「学童施設」「健康増進施設(フィットネス)「老人福祉施設(サービス付き高齢者住宅)」とされていました。それが、1階は、コミュニティーカフェ(400㎡)飲食店、帰宅困難者スペース、自転車置き場(20台)、となり、2Fはスポーツジム(400㎡)です。
しかも、全体として、「生活利便施設」として色付けされいることです。そこは、地区計画によれば、「生活支援施設」とされていたものでした。
サービス付き高齢者住宅問題ー野村不動産、唐突な「謝罪」?
~事実関係を明確に~
また、問題は、それだけでなく、D工区について、2016年の説明会(2016年8月22日)では、「老人福祉施設(サービス付き高齢者住宅)」とされ「地域貢献施設(生活利便・支援施設)と位置づけられていました。そして、これについては2017年2月22日時点の「配置図」でも踏襲されていました。
しかし、その後2019年4月5日行われた D工区についての野村不動産の建築計画説明会では、食堂とか、プールとか運動施設の併設を認めながら、施設はあくまで「サービス付き高齢者住宅」で、自立した高齢者(夫婦可)対象の営利施設で、福祉施設でも、地域貢献施設でもない、と明言したのです。
これは、地域貢献施設として位置付けていた2017年計画自体が変更されたことになります。
ロイヤルマンション権利組合理事会は、今回の開発計画に反対する立場には立ってきませんでした。その背景の一つには、高さ規制緩和による周辺地域の景観・日照などの圧迫被害を受けるものの、老人福祉や児童福祉などの地域貢献施設が配置され、暮らし易くなるなど住民生活が豊かになる事業が行われるならば、受け入れるのもやむを得ないといことがあったのではないか。参加者の発言でした。その計画が、どうなってしまったのか。
地域貢献施設という位置づけ自身が変えられてしまったということは、ロイヤルマンション住人に対してだけでなく、ほとんど地域住民には知らされていてない。それでいいのか。
これに対し、野村不動産は、サービス付高齢者住宅の位置づけについては、野村不動産側に混乱があり、住民の皆さまに、不信をもたれることになったかもしれない。お詫びすると言い出しました。
唐突な発言でしたが、お詫びの前に、事実関係を明確にして欲しいことを求めました。
高齢者住宅事業は、野村不動産の直系会社が行うそうです。
老人福祉施設、地域貢献施設とさんざん宣伝して来ながら、最後に、国の補助金も付く野村のドル箱的な営利事業だ、地域貢献施設でもなんでもないというのでは、そうした事業が実施されるというが故に、全体計画を受け入れてきた住民に対するあまりの背信行為ではないか。言葉を変えれば詐欺ではないか。
天下の野村のやることか。野村なればこそやることか。
横浜市はどう見るのか?
大きな問題です。
次回の話し合いは、
8月7日 6時から、日吉地区センター別館と確認しました。
事務局 渡辺