「〈仮称〉日吉サービス付高齢者向け住宅計画」の説明会行われる

「〈仮称〉日吉サービス付高齢者向け住宅計画」の説明会行われる
             箕輪町2丁目開発D工区
   9階建て大食堂、大浴場付きの「老人ホーム」120室、
   老人福祉施設ではなく、自立高齢者向き賃貸営利事業=野村直轄
 
 
 4月6日(土)、野村不動産箕輪町2丁目開発事業の一環である、「〈仮称〉日吉サービス付高齢者向け住宅計画」の説明会がおこなわれました(於:日吉地区センター)。野村側からはシニア事業課の担当者ほか設計者など4人が出席、、住民の側の参加は、8人ほどでした。(4月5日の夜にも行わました)。
 説明によると、建物の種類は「老人ホーム」となっていますが、〈特別老人養護施設〉ではない。医療介護の特別な体制は取らない。あくまで、自立できている高齢者(夫婦可)が対象だということです。〈自立〉できなくなった場合、つまり、介護が必要になったら「出て行ってもらう」施設で、野村不動産系列の会社が経営する賃貸物件とのことでした。なんと9階建てで、広い部屋狭い部屋あわせ、120室。大食堂、大浴場、また、フィットネス事業スペースも配置しています。この手のものとしては、規模は大規模というわけはではないとのことでしたが、けっこうな規模です。
  建築される場所は、綱島街道南日吉団地入り口の、ジョナサンの向かい側です。野村総研跡で、”森”の部分を含みます。〈吉日市場〉が開かれてきたところです。箕輪町2丁目地区計画では、A地区にあたります。野村開発地域としては、D工区とされてきました。
  D工区は 60m、250%の建築物が可能にされた地区に入りますが、今回、「老人ホーム」となる建築物の高さの制限は31m、容積率は235%とのことでした。なぜ、60m、250%ではないのか。それは、綱島街道からのセットバックが、10mしか行われていない(60m高にするには、20mのセットバックが必要と決まっている)ことと、施設が、地域貢献施設でもなんでもないので、規制緩和は受けられない、ということでした。それでも、それまでの規制の20m、200%というの規制よりははるかに「いい条件」で建てられるわけです。
 施設の性格としては、老人ホームというが、「生活支援施設」でも、「生活利便施設」でも、「地域貢献施設」でもないのですが、配置されるフィットネスのスペースは、居住者だけではなく、地域の方も使えるようにする、という説明でした。「じゃあ大浴場は」という声も上がりましたが、「それはダメ。居住者のみ」とのことでした。ちなみに,室ごとにユニットバスはついているとのこと。
 この高齢者住宅の計画は、箕輪町2丁目「地区計画」に基づくもの、とされています。しかし、「地区計画決定のどこに〈老人ホーム〉は位置づけられているのか?事業の根拠は?」と質問すると、野村の担当者は、「ごめんなさい。今答えられません。整理してお答えします」という。地区計画のもとずく事業という基本的な認識があやふや(欠けている)な一端が露呈しました。
 つまり、そもそも、「老人ホーム」計画は地区計画のどこでも議論されていないのです。生活支援施設でも、生活利便施設でも、地域貢献施設でもない。地区計画には書き込まれていないで、野村が自由に計画する、野村の子会社直轄の、文字通り、営利施設なのです。地区計画の抜け穴なのか? 
 一方で、1320戸、3000人から4000人の住人が増えるという計画なのに、保育所は500㎡規模が一つ作られるだけ。高齢者住宅に9階建てに対比しても、ひどくまちづくりとしてのバランスに欠けるものです。
 基本的に、まちづくりは、営利の原則の枠を超えて考えられなくてはならない。営利の原則は抑制的でなくてならない。都市計画としての地区計画の趣旨であるはずです。
 今回の計画は、そうしてた地区計画には縛られないのか?どう抑制的であるのか。市の見解が問われることでもあります。
 いずれにしても、地区計画上、どう整理されるのか。その回答がはっきりしない限り、説明は終わらない、との発言が住民側からありました。
 野村の発表したチラシ(2016年版)では、「老人福祉施設がうたわれていました。「これだろう」と参加したロイヤルマンションのNさんが指摘されました。野村側としては早くから考えていたようですが、地区計画には反映されていない。ただ、住民側は、野村のうたう、「老人福祉施設」を文字通り、地域貢献施設の一例として受け止めてきました。この機に及んで、そうではなかったのか?Nさんは憤慨されていました。
 また、工事と関連して、”森”の緑が、伐採される。唯一一本残っている桜の木もどうなるのか。「できる限り残す」とのことでしたが、それが本当なら、すでにもっと残っていてよいものだ。そうなっていない。市民は緑税を払っているのに、と、ここでも住民の方は憤慨されていました。
 そもそも、市は何をしているのか。地区計画決定というものをどう考えるのか。あたらためて問われます。